【介護・予防ニュース】2026年6月号|月別まとめ

【今回の概要】

2026年6月は、介護保険制度の見直しと、令和9年度介護報酬改定に向けた準備が本格的に進んだ月でした。

厚生労働省の「介護保険最新情報」では、社会福祉法等の一部改正、科学的介護情報システム(LIFE)、地域づくり支援、家族介護者支援、在宅介護従事者の安全確保、生産性向上など、介護現場に直接関係する通知が相次いで掲載されました。

特に、地域づくり支援ハンドブック、災害に備えた体制整備、家族介護者支援の事例集が周知されたことは、介護予防を「運動教室」だけでなく、地域生活を支える仕組みとして考える流れを示しています。

①介護保険改正|今月のまとめ

2026年6月29日の第135回社会保障審議会介護保険部会では、「社会福祉法等の一部を改正する法律」「基本指針案」「特定地域の考え方」が議題となりました。これは、人口減少や地域差が広がる中で、どの地域でも必要な介護サービスを確保するための制度設計を検討する流れといえます。

また、社会保障審議会介護給付費分科会では、2026年6月15日に通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護などが議題となり、6月29日には訪問介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援、福祉用具・住宅改修などが議題となりました。いずれも令和9年度介護報酬改定に向けた検討であり、現場サービスごとの課題整理が進んでいます。

実務上は、介護事業所は次期改定を待つだけではなく、加算取得状況、人員配置、記録業務、LIFE対応、ICT活用、事故防止、在宅介護従事者の安全確保を早めに点検する必要があります。ケアマネジャーにとっても、居宅介護支援が検討対象に含まれているため、医療連携、家族支援、サービス調整、記録の質が今後さらに重視される可能性があります。

②介護予防|今月のまとめ

介護予防では、地域づくりと高齢者の保健事業・介護予防の一体的実施が重要な柱です。厚生労働省は、令和2年4月から高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に取り組んでおり、2026年5月11日には「取り組み推進ガイド-実証からの推進ヒント-」も掲載しています。

6月の介護保険最新情報vol.1511では、地域づくり支援ハンドブックVol.3、災害等に備えた平時からの体制整備に向けたハンドブック、家族介護者支援にかかる取組事例集が周知されました。

これは、介護予防を「体操に参加してもらうこと」だけでなく、閉じこもり予防、家族介護者支援、災害時の見守り、地域資源の活用まで含めて設計する必要があることを示しています。

実務では、地域包括支援センター、生活支援コーディネーター、通所介護、訪問リハビリ、医療職、住民団体が、同じ地域課題を共有することが重要です。参加人数だけでなく、外出機会の増加、生活機能の維持、家族の負担軽減、フレイル予防につながっているかを確認する視点が求められます。

③フレイル|今月のまとめ

フレイルとは、加齢により心身が衰えた状態を指し、健康な状態と要介護状態の中間に位置づけられます。日本サルコペニア・フレイル学会は、フレイルには身体的な問題だけでなく、認知・心理・精神的な問題、社会的な問題も含まれ、適切な対処によって予防や改善が可能であると説明しています。

2026年6月は、フレイル単独の大きな制度改正は確認できませんでした。一方で、日本サルコペニア・フレイル学会では、6月19日に第9回指導士インタビューを掲載し、6月5日には学会誌Vol.10 No.1を公開しています。

また、第13回日本サルコペニア・フレイル学会大会では、一般演題募集が6月16日まで行われ、6月17日に締切が告知されています。

介護現場では、体重減少、疲れやすさ、歩行速度低下、握力低下、身体活動量低下を、早期発見のサインとして見ることが重要です。ケアマネジャーは、「最近外に出ない」「食事量が減った」「転びやすい」といった変化を、単なる老化として見逃さず、栄養、運動、社会参加、医療連携につなげる必要があります。

④サルコペニア|今月のまとめ

サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量の減少と筋力低下を合わせ持つ状態です。日本サルコペニア・フレイル学会は、サルコペニアが転倒、骨折、要介護、死亡などの有害な健康結果に影響すること、対策として運動療法と栄養療法が基本になることを示しています。

また、Mindsガイドラインライブラリには、「サルコペニア・フレイルの予防・改善に関するデジタルヘルスのためのガイドライン」が掲載されています。同ガイドラインは2026年2月27日に初回投稿日・更新日が示され、2025年発行、第1版、発行元はライフサイエンス出版とされています。

6月時点で、サルコペニア単独の大きな新規制度改正は確認できませんでした。しかし、介護現場では転倒予防、低栄養予防、入院後の廃用予防、通所・訪問リハビリでの機能訓練に直結する重要テーマです。握力、立ち上がり、歩行速度、体重変化、食事量、転倒歴を継続的に確認し、運動と栄養を組み合わせた支援につなげることが求められます

【今月の総括】

2026年6月は、介護保険改正では「令和9年度介護報酬改定に向けたサービス別検討」介護予防では「地域づくり・家族介護者支援・災害対応」フレイル・サルコペニアでは「早期発見と多職種連携」が重要な流れでした。

制度改正の議論はまだ途中ですが、介護事業所・ケアマネジャー・地域包括支援センターは、LIFE、記録、加算、ICT、安全確保、地域連携を今から点検しておく必要があります。

【今月の重要ポイント】

1.令和9年度介護報酬改定に向けた検討が通所系・訪問系・居宅介護支援などで進んだ。

2.地域づくり支援、災害時支援、家族介護者支援が介護予防の重要テーマになっている。

3. LIFE移行・研修・生産性向上は、今後の事業所運営に関わる実務課題である。

4. フレイルは、身体・心理・社会面を含めた早期発見が重要である。

5. サルコペニア対策では、運動療法と栄養療法を組み合わせた支援が基本となる。

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