「足首捻挫」

 前回も意識の話を書きましたが、意識は身体の動きと密接に関係しています。しかし、それを実感することは少ないと思います。

感覚的には、自分が思ってから身体が動くと思いこんでいますが、実際は、脳の活動があり、意思が起こってから、身体が動くということでした。

この実験は、50年前から行っている実験なので、長い時間かけて検証されているので疑いのない事実だと思います。最新の機器で調べると7秒も前から、その行動をする活動が脳で起こっているとも言われています。

意識は、脳の活動と筋肉の収縮が起こる間に気がづいたということも言えます。

感覚的には、疑いたくなりますが、スポーツをしていると、この現象に気づくことがあります。

特に相手がいて、速い動きが求められるスポーツでは、自分の身体が勝手に動いたことに後から意識が気づくという経験をした人は多いと思います。

一般的にはゾーンに入るというような言い方をすると思います。

この現象によって自由意志のあるなしが議論されていますが、ここでは全く意味がないので避けます。

足首捻挫時の意識の運動

足首の捻挫で数日たっているので酷い痛みはなくなってきたという状態の動画です。酷い捻挫ではありませんが、このまま放置すると後遺症が残る可能性があります。このような時には実際に動かすより意識を動かすことが何よりも重要です。

足首を観察してみると、下腿前外側から腓骨、踵骨あたりの緊張があり、踵をついた時に痛みが酷かったという状態です。今は踵をついても痛みはないと言っていましたが、膝の位置や足裏の位置を正面に向けてみると足裏の内側は自然に浮いてきます。そして、この位置は少し痛みがあると言います。

つまり無意識に内反位になっていて、それに意識は気付いてないという状態です。

爪先と踵を結ぶ線の延長線が真正面にあり、膝蓋骨は、前額面になるようにして椅子に座ると足首は内反位になっています。

この状態は、内反位が真っ直ぐだと勘違いしている状態です。ひらたく言えば、かばっている癖がついたということです。痛みはないのにかばっている状態というか、痛みのない状態を真っ直ぐと誤解している状態と言えます。

 これでは、常に内反することが正常だと無意識が思いこんでいるので日常生活の中では常に負荷がかかり続けます。足首で起こった異常な位置は、膝や股関節を通って、腰椎にも影響が出ます。

この癖を続けると足があがりにくくなり、腰はひけ、肩が前にくることで、首の位置や顔の位置にも影響がでます。つまり全身に影響が出るということになります。

僅かな異常ですが、それを改善しておけば、そういう後遺症なく生活できるようになります。

ここで考えてもらう必要があるのは、問題は関節の位置ではないということです。筋肉は命令を受けたから収縮したり弛緩したりしているだけです。筋肉自体が意思をもっている訳ではありません

意識が変わらなければ、一生続く可能性もあります。

骨折した後、雨が降るとうずくというような症状を訴える人がいますが、これも骨折が治っても、意識は未だに骨折した時と変わらず通常では痛みだけがとれた状態なのだとも言えます。

関節や筋肉を力任せの施術で変えようとするのではなく、その位置が正しいと誤解している意識を変えないと、治療にはならないということです。脳からの命令を変えるということだと思います。

動画の中で、背屈運動をしてくださいと言っていますが、実際に動かそうとすると先に指先があがってきます。また膝が内側に入って踵を外に出そうとしてしまいます。つまり代償運動をしているということです。

足首だけ曲げたいのに指先が動いたり、膝の位置が変わったりしては意味がありません。

しかし、それをやろうとしても動かないのです。

なぜ、動かないかと言えば、足首を単独で背屈運動したことがないからです。つまり、電気信号が来ていないということです。

この動きは、元々はできていたはずですが、捻挫をして足首をかばったことによって脳からの信号は必要のない動きだと解釈され、動かなくなってしまったのだと思います。

または、足の指先を動かしたり、膝の位置や股関節の位置を変えることで見かけ上、背屈しているように思わせることができた為、日常生活には不具合なく動けていたのかもわかりません。

しかし、それは捻挫しやすい状態になっていたということになります。このような動きは代償運動です。

代償運動を続けた結果、脳からの信号は前脛骨筋や腓骨筋に送られず筋肉が興奮できなかった結果が緊張となってあらわれたということです。つまり、筋肉の緊張は脳からの信号が送られてこなかった為に麻痺状態になった為に起こった状態だと言えます。

一般的には使いすぎた(筋肉が収縮した為に)緊張が起こったと考えますが、そのような緊張は時間と伴になくなっていくのが普通です。問題は収縮させなかった為に起こった緊張後遺症としては一番重要な緊張になります。

必要ないと誤解されていたから動かさなかっただけなので、脳からの信号を送り続ければ動くようになってきます。

しかし、この時に注意が必要です。

それは無理やり動かさない

動かなくても無理やり動かそうとしないということです。

正確に動かそうとする。

位置を変えないということです。

重要なことは動かそうとだけ意識することです。つまり脳からの信号を送り続けるということです。

これを数秒間やると前脛骨筋が一瞬で緩んできます。臨床家なら腓腹筋の緊張より前脛骨筋の緊張の方が緩みにくいことは、誰しも経験していることだと思います。

たったそれだけのことで動きやすくなるというのは信じられないと思いますが、それは固まった筋肉は揉みほぐさなければ柔らかくならないという常識があるからだと思います。

この現象があることを毎回確認していると、それは迷信なのだと思ってしまいます。

この動きを意識させることによって緊張が弛み、足がスムーズに動かしやすくなり生活が楽になります。

痛いとか痛くないということより、重要なことは動きやすくさせるということです。動きさえよくなれば、あとは自然な動きが誘発され痛みは自然に楽になっていきます。

御薗治療院 中村秀一 omisono@gmail.com
御薗治療院HP http://www.o-misono.com/
フェイスブック  https://www.facebook.com/shyuichi.nakamura

御薗治療院のメルマガ登録はおすみですか?
http://www.mag2.com/m/0000265263.html
↑ここからワンクリックで登録できます。
情報満載です。是非、ご登録下さい。

コメントは利用できません。

鍼灸や柔整情報のポータルサイト

無料登録はこちら