桃山学院教育大学アスレチックトレーナー 川西 弘晃 NATA-ATC

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アスレチックリハビリテーション実践編

【内転筋肉離れ】

 内転筋は、主に切り返しや方向転換、サイドステップなどの素早い横方向の動きにエキセントリック(求心性収縮)な動きに作用します。オーバーユーズによる筋肉へのストレスが蓄積されている時に肉離れを起こしやすいことが知られています。

内転筋肉離れは、ハムストリング肉離れ同様、一度損傷すると癖になると言われていますが、決してそうではありません。

段階を経て適切にアスレチックリハビリテーションを実施することで軽度であれば1~2週間、中等度であれば3~6週間で練習に復帰することができます。

再発防止は勿論のこと俊敏性など素早い動作の向上に大きく貢献します。

<プログラム前編>

一般的には受傷後72時間は炎症段階と言われ、この期間はステージ1、アイシングとストレッチが主なメニューです。負荷テストで脚が持ち上げることができればステージ2へ移行します。

筋組織の回復に伴って徐々に負荷を高めながら筋力を強化していくプログラムをご紹介します。

① 負荷テスト

➁ 競技復帰の目安

① 股割ストレッチ座位

【ステージ1】
➁ 股割ストレッチ仰臥位

【ステージ2】
① ストレッチ&シフト

➁ ライトタオルスライド

➂ タオルスライド四つ這い

➃ タオルスライド膝付

➄ 筋膜リリース

⑥ レッグレイズアダクション

⑦ ボール挟み(小)

⑧ チューブアダクション

⑨ 開脚スクワット

⑩ タオルハーフスライド

⑪ チューブ水平内転運動

⑫ プランク交互足上げ

⑬ プランクジャック

上記ステージ2のメニューを痛み無しですべてクリアーできれば競技復帰の為のプログラムステージ3に移行します。次回はステージ3をご紹介致します。

御園治療院 院長 中村 秀一

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「足首捻挫」

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 前回も意識の話を書きましたが、意識は身体の動きと密接に関係しています。しかし、それを実感することは少ないと思います。

感覚的には、自分が思ってから身体が動くと思いこんでいますが、実際は、脳の活動があり、意思が起こってから、身体が動くということでした。

この実験は、50年前から行っている実験なので、長い時間かけて検証されているので疑いのない事実だと思います。最新の機器で調べると7秒も前から、その行動をする活動が脳で起こっているとも言われています。

意識は、脳の活動と筋肉の収縮が起こる間に気がづいたということも言えます。

感覚的には、疑いたくなりますが、スポーツをしていると、この現象に気づくことがあります。

特に相手がいて、速い動きが求められるスポーツでは、自分の身体が勝手に動いたことに後から意識が気づくという経験をした人は多いと思います。

一般的にはゾーンに入るというような言い方をすると思います。

この現象によって自由意志のあるなしが議論されていますが、ここでは全く意味がないので避けます。

足首捻挫時の意識の運動

足首の捻挫で数日たっているので酷い痛みはなくなってきたという状態の動画です。酷い捻挫ではありませんが、このまま放置すると後遺症が残る可能性があります。このような時には実際に動かすより意識を動かすことが何よりも重要です。

足首を観察してみると、下腿前外側から腓骨、踵骨あたりの緊張があり、踵をついた時に痛みが酷かったという状態です。今は踵をついても痛みはないと言っていましたが、膝の位置や足裏の位置を正面に向けてみると足裏の内側は自然に浮いてきます。そして、この位置は少し痛みがあると言います。

つまり無意識に内反位になっていて、それに意識は気付いてないという状態です。

爪先と踵を結ぶ線の延長線が真正面にあり、膝蓋骨は、前額面になるようにして椅子に座ると足首は内反位になっています。

この状態は、内反位が真っ直ぐだと勘違いしている状態です。ひらたく言えば、かばっている癖がついたということです。痛みはないのにかばっている状態というか、痛みのない状態を真っ直ぐと誤解している状態と言えます。

 これでは、常に内反することが正常だと無意識が思いこんでいるので日常生活の中では常に負荷がかかり続けます。足首で起こった異常な位置は、膝や股関節を通って、腰椎にも影響が出ます。

この癖を続けると足があがりにくくなり、腰はひけ、肩が前にくることで、首の位置や顔の位置にも影響がでます。つまり全身に影響が出るということになります。

僅かな異常ですが、それを改善しておけば、そういう後遺症なく生活できるようになります。

ここで考えてもらう必要があるのは、問題は関節の位置ではないということです。筋肉は命令を受けたから収縮したり弛緩したりしているだけです。筋肉自体が意思をもっている訳ではありません

意識が変わらなければ、一生続く可能性もあります。

骨折した後、雨が降るとうずくというような症状を訴える人がいますが、これも骨折が治っても、意識は未だに骨折した時と変わらず通常では痛みだけがとれた状態なのだとも言えます。

関節や筋肉を力任せの施術で変えようとするのではなく、その位置が正しいと誤解している意識を変えないと、治療にはならないということです。脳からの命令を変えるということだと思います。

動画の中で、背屈運動をしてくださいと言っていますが、実際に動かそうとすると先に指先があがってきます。また膝が内側に入って踵を外に出そうとしてしまいます。つまり代償運動をしているということです。

足首だけ曲げたいのに指先が動いたり、膝の位置が変わったりしては意味がありません。

しかし、それをやろうとしても動かないのです。

なぜ、動かないかと言えば、足首を単独で背屈運動したことがないからです。つまり、電気信号が来ていないということです。

この動きは、元々はできていたはずですが、捻挫をして足首をかばったことによって脳からの信号は必要のない動きだと解釈され、動かなくなってしまったのだと思います。

または、足の指先を動かしたり、膝の位置や股関節の位置を変えることで見かけ上、背屈しているように思わせることができた為、日常生活には不具合なく動けていたのかもわかりません。

しかし、それは捻挫しやすい状態になっていたということになります。このような動きは代償運動です。

代償運動を続けた結果、脳からの信号は前脛骨筋や腓骨筋に送られず筋肉が興奮できなかった結果が緊張となってあらわれたということです。つまり、筋肉の緊張は脳からの信号が送られてこなかった為に麻痺状態になった為に起こった状態だと言えます。

一般的には使いすぎた(筋肉が収縮した為に)緊張が起こったと考えますが、そのような緊張は時間と伴になくなっていくのが普通です。問題は収縮させなかった為に起こった緊張後遺症としては一番重要な緊張になります。

必要ないと誤解されていたから動かさなかっただけなので、脳からの信号を送り続ければ動くようになってきます。

しかし、この時に注意が必要です。

それは無理やり動かさない

動かなくても無理やり動かそうとしないということです。

正確に動かそうとする。

位置を変えないということです。

重要なことは動かそうとだけ意識することです。つまり脳からの信号を送り続けるということです。

これを数秒間やると前脛骨筋が一瞬で緩んできます。臨床家なら腓腹筋の緊張より前脛骨筋の緊張の方が緩みにくいことは、誰しも経験していることだと思います。

たったそれだけのことで動きやすくなるというのは信じられないと思いますが、それは固まった筋肉は揉みほぐさなければ柔らかくならないという常識があるからだと思います。

この現象があることを毎回確認していると、それは迷信なのだと思ってしまいます。

この動きを意識させることによって緊張が弛み、足がスムーズに動かしやすくなり生活が楽になります。

痛いとか痛くないということより、重要なことは動きやすくさせるということです。動きさえよくなれば、あとは自然な動きが誘発され痛みは自然に楽になっていきます。

御薗治療院 中村秀一 omisono@gmail.com
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合同会社一歩 代表社員 川崎 初美

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【タイトル】

【疾患別の特徴の捉え方と訓練の進め方(慢性関節リウマチ)】

1.慢性関節リウマチについて

 全身の関節に炎症が広がり、手足の関節に腫れや痛みを伴う病気です。関節が痛くて動かせなくなり、生活に支障を来たします。

病気に罹る男女比は1対4で女性に多く、30~40歳代に多く発症します。原因としては、外敵から身体を守る免疫機能(図1)が自分を攻撃してしまう免疫異常による全身性に慢性に進行する疾患ですが、なぜ起こるかまでははっきりと解明されていません。

症状としては、微熱が続き、全身の様々な臓器に炎症が起きます。そして朝の手足のこわばり、関節痛が起きます。小さな関節が破壊され脱臼変形していきます。その結果、関節が動かずに筋肉を動かすことが出来ず、筋力低下も起こして行きます。

図1 免疫のはたらき

2.慢性関節リウマチを罹患した方の心理について

 炎症と鎮静を繰り返しながら、身体(主に関節)が破壊されていく状況にあります。沈静している際に、不意に身体を動かしたり、無理な動きをかけたりした際に、炎症が再燃して耐え難い痛みが生じます。

そのような状態では、身体を動かすことに消極的になり、あるいはとても神経質になって、痛みが生じない範囲しか動かさなくなります

ベッド上に置く箱ティッシュの位置などを細かく指示したりすることは、自分でティッシュを取る際に、手首や指に負担をかけない位置で再燃を予防しています。周囲に対して神経質な振る舞いになることから「リウマチ気質」とも言われています。

3.ベッド上での訓練をする際の注意点

 関節破壊を再燃させるきっかけとならないように、大きな関節(股関節や肩関節)をゆっくり動かすことから始めて行きます。

その時に、余計な力が末梢関節に及ばないように、腕全体または下肢全体をしっかり支えながら、皮膚も掴まず面で接して負担を少なくすることを心がけます。そのような触れ方や支え方をしていることを説明しながら行うと安心感を与えるため効果的です。

破壊されている関節周囲への刺激は避けて、隣接する筋肉に対して直接伸ばし、圧迫することで循環改善を促します。起き上がりを介助する場合にも、電動ベッドの機能を活用して、身体への無理をさせず滑らかな動作を介助して、特定の関節に負担がかからないような配慮をします。

起き上がる際、座位姿勢、立位・歩行介助などの重力の影響を考慮する際には、特に首の関節である環軸関節の脱臼・骨折を起こさないように細心の注意が必要です。

4.動作訓練をする際の注意点

 関節の破壊が進むと、筋肉は大きな力を発揮することが出来なくなるため、筋力強化ではなく環境を工夫して、関節への負担を少なくするように考えます。

ドアの開け閉めなどでは、指や手首でドアノブやレバーを掴むのではなく、引き戸にして肘や腕全体を使って行うようにしたり、ドアレバーの長さを延長させたり空間を広げたりして大きな関節を使うような工夫をします。

立位保持や立ちすわりなど、大きな関節を動かす運動や、関節を動かさずに筋肉を収縮させる運動などを中心に行います。特に転倒には注意し、首への負担がかからないように、ネックカラーの装着などで予防します。

5.生活環境の工夫について

 生活動作全般を考えてみると、ドアの開閉、鍵の開閉、便器の蓋の開閉、タンスや机の引き出しを開ける時など、日常的な行為の中で指を使うことが多いです。

便器の蓋はセンサーで感知して自動開閉機能を活用し、鍵はオートロックや顔認証などの非接触システムを利用、ドアの開閉などの物理的に必要な動作については取っ手の工夫が必須となり、引き出しについては、押すことで飛び出してくるなど構造的な工夫をすることで、指を使わなくても開閉が出来るようになります。

最新の福祉機器を駆使して、暮らしやすさを考え続けることが大切です。

6.慢性関節リウマチを患っている方への接し方について

 専門職として関わる前に、人としての受け止めが出来るように、相手の状況を正しく理解して接することが大切です。

特に身体に触れる際には、信頼関係が樹立されるまでは疑い深く、スムーズな接し方が困難な時期があるので、関連用語(図2)を知り、時間をかけて信用を得ていくことが重要となります。

図2 慢性関節リウマチの関連用語

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