桃山学院教育大学アスレチックトレーナー 川西 弘晃 NATA-ATC

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【タイトル】

アスレチックリハビリテーション実践編

【足関節捻挫】

捻挫癖ってもとに戻らないの? いいえ! 戻ります!

重要なことは安静にさせず、神経系のつながりを回復させる為のアスレチックリハビリテーションプログラムを取り入れることで捻挫癖は改善できます。

リハビリには段階があるので、急に神経系メニューって訳には行きませんが、回復の状態を見て取り入れることでケガをする前よりも運動能力が良くなっているケースも多く見られます。

<ステージⅠ>

 捻挫してから3日間は炎症段階、何をしても痛みを伴います。まず、この3日間を使ってしっかり痛みや腫れを緩和させることが大切です。アイシング20分、2時間以上間隔を空けて1日5~6回行うと腫れの引き具合、可動域改善の速さに驚くことでしょう。

⓵タオルヒールコードストレッチ
(アキレス腱-腓腹筋-ハムストリングス-臀筋を結ぶ線)

*タオルをつま先にかけ、大きく息を吸って吐きながら10秒間ストレッチします。
*これを5回繰り返します。
*患部から意識を反らすために描く文字に意識の焦点を合わせて実施しましょう。

注意
*背屈可動域改善の効果もありますが、痛みの出ない範囲内で無理せず実施しましょう。

②アルファベット…つま先でA~Z

*足関節を使ってアルファベットを宙に描きます。
*小さな動作から始めます。
*これを5回繰り返します。
*患部から意識を反らすために描く文字に意識の焦点を合わせて実施しましょう。

注意
*大きく描こうとすると脚全体を使ってしまうので足関節のみに集中しましょう。
*無理せず痛みの出ない可動範囲で実施してください。

③タオルギャザー

*タオルを縦に広げます。
*足の指でタオルを掴み手前に引きます。
*これを10回5セット繰り返します。

注意
*摩擦の大きなカーペット上ではタオルが動かないので畳やフローリング上で実施してください。

④タオルスライド(内反運動)

*タオルを身体より外側に横に広げます。
*踵を床に付き、足をタオル上におきます。
*踵を軸に足を外側に広げ親指をタオルに乗せます。
*親指でタオルを内側に引き寄せます。
*これを10回5セット繰り返します。

注意
*踵が床から浮かないように注意しましょう。
*足全体を動かすのではなく、足関節のみ動かします。
*無理せず痛みの出ない可動範囲で行ってください。

⑤タオルスライド(外反運動)

*タオルを身体より内側に横に広げます。
*踵を床に付き、足をタオル上におきます。
*踵を軸に足を内側に広げ小指をタオルに乗せます。
*小指でタオルを外側に蹴ります。
*これを10回5セット繰り返します。

注意
*踵が床から浮かないように注意しましょう。
*足全体を動かすのではなく、足関節のみ動かします。
*無理せず痛みの出ない可動範囲で行ってください。

ステージ1終了後、2時間経っていなければアイシングの必要はありません。自宅でアイシングをして就寝時にはU字パッドとバンテージで患部を圧迫し挙上することをお勧めします。

*U字パッドで踝周囲を軽く圧迫することで患部の腫れが消失し、その後のリハビリ効果が高めることができます。

御園治療院 院長 中村 秀一

【タイトル】

「経絡と関節」

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経絡は存在しているのかという疑問があります。それに対しての答えは、ある条件下では存在を確認することができるといえます。

施術者に経絡を見ようとする意識もなく、ただ触れているだけなら肉体に触れるだけなので何も感じられません。しかし、意識を経絡に向けると明らかに触診に変化がでてきます。

ただ、経絡は教科書に書いてあるような規則正しいものではありません。どんな健康体の人であっても、どこかには不調があるはずなので、経絡にも必ず明確さと乱雑さが混在しています。これも波打つように強くなったり弱くなったりしているのが普通です。つまり実際には、教科書に書いてあるものとは違います。

この考え方をしないで教科書通りに経絡を追い求めても、明確な答えにはなりません。一部分でハッキリとしているように思える経絡も、その経路全体を追いかけていくと、蛇行したり、太さを変えたり、奥行きを変えたりしています。また、散らばるように乱雑になってわかりにくくなる場所もあります。

特に体幹部の経絡は、乱雑さが多くなります。手足の指先に向かうほど明確になりやすくなりますが、体幹で強くなり末端で弱くなるものもあります。ただ、井穴では、殆どの経絡が明確なので、井穴の治療が効果的だというのもうなずけます。

一般的には乱雑さのある経絡は絡脈と呼ばれたりしますが、絡脈は、一定の場所にあるのではありません。正経の触診をしていても途中で乱雑さが大きくなり経絡が明確でなくなる部分があります。つまり、絡脈と呼ばれる乱雑さは正経の経脈上にもあらわれるということです。このことから、私は絡脈という表現をせず経絡の乱雑さという表現に変えています。

大腸経の始まりは、手の示指であり、肘や肩の方に向かっていきますが、示指付近ではハッキリしていたのに肩関節の方にくるとフワッと散りばめられたように薄くなっていて、大腸経を確認できにくいことがあります。対側の大腸経では示指が弱く肩関節が強くなっていたりすることもあります。指先の大腸経と体幹に近いところでは右と左でバランスをとっていると言えます。

左で肩周囲の大腸経が強くなれば右で肩の大腸経は弱くなっていることが殆どです。鍼灸師は、人体の構造を、あまり考えない人が多いようですが、大腸経の左肩が強く、右肩が弱い場合、左が巻き肩になりやすく、右肩は巻き肩になりにくいという現象が起こります。そして、胸椎の上部では右回旋しやすくなります。動きと経絡は常に連動しているのを確認できます。

このことから考えても、同じ穴を左右に取穴するというのは合理的ではありません。右を取穴するのか、左を取穴するのかはとても重要であり、それを上手く刺激できるかどうかで効果に違いがあります。

まさに経絡は生きていると言えるのではないかと思います。教科書に書かれた経絡は、規則正しく整列している状態をあらわしただけで、生きている人間に経絡の図を当てはめようとしても無理です。多分、体系作りの為に無理やりくっつけた可能性もあります。

不調を訴える患者を観察すれば、経絡や穴が教科書どおりではないことはすぐにわかります。教科書どおりの刺激で効果を出せるのなら何の苦労もいりません。そうでないから、経絡や穴を触診する手法が必要なのだと思います。

御薗治療院 中村秀一 omisono@gmail.com
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ニコニコ接骨院 院長 酒田 達臣

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【タイトル】

『接骨院の診察室』 第4回
僕が尊敬してやまない医師たちが持つ中心軸。その勇気と行動。

 前回まで3回にわたって、当院の診察室でくも膜下出血を起こされた患者様のお話を書かせていただきました。

ここでは、残念な対応をした医師の姿を見て、それについての批判も書かせていただく形となってしまいました。

しかし、当然ながら、世の中にはそういう医師ばかりがいるのではありません。

僕がこれまでにお会いしてきたたくさんの医師の中にも、心の底から尊敬する方が大勢います。

そういう医師たちの言葉と行動は、僕に医療者としてのスピリットと勇気を与えてくれました。

その言葉を聞き、行動を目にした時、僕の心はふるえました。

いつの時もその医師たちの決断は、困難な状況にある中でもそれに負けることなく、その医師自らが持つスピリットに基づいてなされたものだと感じたからです。

このスピリットは、僕が尊敬する医師の全員に共通しているものだと感じています。

いわば「医療者としての中心軸」

何かに迷った時、安易に楽な道を選択するのではなく、常にこの中心軸に立ち返って決断する。

そういう姿が、この医師たちにはすべて共通して見られました。

たくさんいるその医師の中から、何名かの医師のエピソードを、今回から3回くらいのシリーズで少しご紹介したいと思います。

今回は、僕が尊敬してやまない医師の1人、故M医師のそばで僕が見させていただいた無数にあるエピソードの中から、まずは初めの経験となった1つをご紹介したいと思います。

エピソード1.

僕は30歳の時に柔道整復師免許を取得しました。そして接骨院勤務を経て整形外科クリニックに入社しました。

外来患者1日平均250名。

僕たち数人の理学療法室スタッフで、骨折の整復固定などから慢性疾患まで、ほとんどすべての患者さんを施術させていただいていたので、大変忙しかったです。

整形外科医の院長が診断し、カルテに記載された指示に基づき、外傷の処置や理学療法や手技療法を僕たちが行うわけですが、日々患者さんの経過を見ていく中で、その診断に若干疑問を感じるケースも中にはありました。

当時入社したての僕に懇切丁寧に指導してくださった、柔道整復師と鍼灸マッサージ師の資格を持つ先輩の理学療法室長が、僕が入社後1年と少しで開業のために退職されたことで、免許取得後1年ちょっとしか経っていない僕が理学療法室長に任命されました。

ある日、後輩が僕に相談してきました。

肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)という院長の診断の下に僕たちが理学療法を行っていた患者Aさんのことでした。

「自分は五十肩ではなくRSDではないかと思うのですが…」と。

RSDというのは「Reflex sympathetic dystrophy(反射性交換神経性ジストロフィー)」という病気の略称です。現在ではカウザルギーと併せてCRPS(複合性局所疼痛症候群)という疾患概念にまとめられ、RSDはCRPS-TypeⅠに属するとされています。

その中の1つである「Shoulder Hand Syndrome(肩手症候群)」ではないかと、後輩は言うのです。

肩手症候群は五十肩とは全く別の病態です。

ネットで簡単に検索できますので病態の詳しい解説は控えますが、いろいろなきっかけで発症することが報告されており、最悪の場合は上肢の筋委縮や骨委縮や関節拘縮を招いてしまい、上肢全廃となり、切断せざるを得ない状態に陥ることもある疾患です。

確かにAさんの上肢全体にはかなり強めの浮腫が存在していたことや、肩関節運動時の疼痛だけでなく、安静時の疼痛が激しい状態が続いていたことなど、後輩の病態推論通りである可能性が高いと、僕も思いました。

しかし、柔道整復師や鍼灸師である僕たちが、医師である院長に、「診断について意見を言う事」はもちろん「タブー」でした。

そんな中、ある日院長がお休みになり、その代診医師として、M医師が外来診療に来てくれた事がありました。M医師は、以前院長が総合病院勤務していた時に上司だった整形外科部長でした。

僕たちは外来研修としてその総合病院に1週間に1度交代で派遣してもらい、M医師の診察を丸1日真横で拝見させていただいていたので、M医師のお人柄はよく知っていました。

Aさんの症状については院長も少しおかしいと思ったのか、この少し前にAさんをM医師に紹介して、総合病院で精密検査も行ってもらったりもしていました。

しかし、結果はまだはっきりとしないまま、こちらでは五十肩としてそのまま施術を継続するよう、僕たちは院長から指示されていました。

そこでこの日僕は思い切って、AさんがM医師の診察に呼ばれたところを追いかけて行って、診察室に入り、M医師に小さい声で直接質問しました。

「M先生、この患者さん、RSDではないでしょうか。」

そうするとM医師は驚いたようにパッと顔を挙げました。

そして次に満面の笑顔を見せて即座に大きな声ではっきりとこう言いました。

「そうだよ!RSD、肩手症候群だったんだ。間違いない。よく気付いたね。僕は腫瘍じゃないかと思ってCTやったりして調べていたけど、誤診していたんだ。君たちの言う通りだ。よく気付いたね!」

僕は驚きました。M医師のお人柄は知ってはいましたが。

医師が患者さんの前で堂々と「自分の誤診を認める」なんて。

しかも柔道整復師にすぎない僕たちの推論の方が正しいと、はっきりと大きな声で。

僕は感動しました。

しかし後からゆっくり考えてみて、自分の中ではこういう結論に至りました。

M先生にとっては、「誤診していたことを患者さんや僕たちに知られたくない」とか、「柔道整復師の推論の方が正しかったとは認めたくない」といった“プライド”より、ずっと大切なものがあるのだと。

それは、「何よりも患者さんが中心軸だ」という、シンプルな信念だったのではないかと思うのです。

この事は僕に大変な勇気をくれました。

忖度ではなく、事実を追求する。

あくまでも自分は医師ではないことを自覚した上で、謙虚に。

しかし患者さんが中心軸であることを決して忘れずに。

だから今でも僕は、うちのスタッフの病態推論の方が自分より正しいと気付いたら、何の抵抗もなくそれを認めることができますし、そのスタッフを目一杯誉めることができます。

患者さんに対しても、自分の誤診に気付いたら、素直にすぐにお詫びをすることが出来ます。

M先生のおかげです。

次回も、もっと僕が驚いたお話をご紹介させていただきたいと思います。

合同会社一歩 代表社員 川崎 初美

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【タイトル】

息苦しさを抱える方への接し方と訓練から自主トレへの促し方

1.息苦しさの心理面に及ぼす影響について

 今回は息苦しさをテーマにした話をしていきます。呼吸と拍動は、命に直結するものなので、異常を感じた経験のある方は、「死」を身近に感じる体験を少なからずしています。

個人差がありますが、それがきっかけで新たに精神疾患を患う方もいますし、むしろ達観される方もいます。

どのように受け止めておられるのかを気に留めて接していく必要があります。言葉の選び方など、対象者に合わせたものを使いましょう。

画像1 パルスオキシメーターでの計測

2.息苦しさと生活動作や自立度に与える影響について

 生活していくためには、身体を動かさなければなりません。そのような時に息苦しさがあると、動作そのものが止まったり、遅くなったりします。

スムーズに出来ていた頃と比べてしまうので、イライラが募ります。頑張るほどに息苦しさは増しますので、頑張れません。動作をゆっくりおこなうと、自分で何とか出来るので手伝ってもらうほどではありません。

介護保険で認定調査をすると一次判定での自立度は高く出て来ます。本人の頑張りや大変さが他者には伝わらない状態であることを把握しておくことも大切です。

3.息苦しさへの対応

 息苦しさを和らげるためには、どのようなことをすれば良いでしょうか。呼吸は吸う時よりも吐き出す時が重要になります。

肺の中にある気体を外にしっかり出さなければ、新しい空気を吸い込むための場所が確保できないからです。肺の中に残る気体を「残気」といいます。この残気量が多いほど、新鮮な空気の入れ替えが困難な状態になります。

外気と肺までの空気の入れ替えを外呼吸といいます。肺の一番奥に肺胞という場所があり、そこから血管内に溶けて酸素が全身に運ばれ、二酸化炭素との交換を内呼吸といいます。内呼吸の結果、どのくらい酸素が体内に取り込まれているのかを調べるためには、指先に装置を挟みながら計測するパルスオキシメーター(画像1)を使用します。

呼吸器疾患に対する治療では、病院受診が必要ですし、運動そのものをしては行けない状態もありますので、注意が必要です。ここでは外呼吸についての対応をお伝えします。ポイントとしては、残気量を減らすことです。いかに吐き出すことを意識していくか。横隔膜の動きを出して、少ない力で大きな効果を得られるようにして行きましょう。

4.外呼吸に対する自主トレーニングについて

 声を出し続けるというトレーニングが2種類あります。

1つめは、発声する言葉を1文字決めて、一息でどのくらい長く声を出し続けられるかを計測します。みなさんは60秒声を出し続けられますか?

2つめは、一息で数字を声に出して数えるというものです。数字は略さずに正確に言うことを条件として、滑舌も良く相手に聞き取りやすく行います。ちょっとしたサロンの隙間時間におこなうと盛り上がりますよ。80くらいまで言えますでしょうか?

体験した参加者の方から、1日1回おこなってカレンダーに言えた数字を記録していると教えてもらいました。自分なりに工夫されて調子の波を感じていることが理解できます。

先ほどの数字を速く正確に言うというトレーニングは、認知症予防としてのトレーニングにも活用されていたりして、道具を使わずに、人数が多くてもすぐに一緒に出来る所も優れていると思います。

5.腹式呼吸の必要性

 呼吸の仕方には、横隔膜を使って腹部の動きがみられる腹式呼吸と、肋骨の動きが目立つ胸式呼吸があります。

呼吸を助ける動きとして肩や首が働くこともあります。陸上競技などで全速力したり、息が上がったりした時に肩が上下に動いているのは、呼吸を助けている動作です。

横隔膜が緊張することで、腹腔を押し下げて胸腔にスペースを作ることができます。1㎝押し下げることで約250㏄の体積が増えると言われていますので、横隔膜を動かすことで身体の内臓の位置関係へ影響を与えることが出来ます。

臥位や座位姿勢で、片手を胸に当て、もう片方を腹に当てた状態で呼吸をします。その時に腹に当てた手だけが動くように意識してみましょう。

画像2 腹式呼吸の確認(手を胸と腹に当てる)

仰向けに寝ながら行う時には、ボールペンなどの細長いものを、胸と腹に同時における場所に置いて呼吸をすることで、腹部の凹凸でボールペンを動かしてみましょう。

画像3 腹式呼吸の確認(ボールペンの傾き)

少ない力で効率よく呼吸が出来る、腹式呼吸をぜひ身に付けましょう。

本日の記事は以上になります。

からだサイエンス WEB版では、各先生の記事をまとめていますので、先生に絞った記事もご覧になれます。

次回の記事もどうぞよろしくお願い致します。

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