肋骨のエコー観察

 柔整でのエコー観察の多くは四肢に利用することが多いと思いますが、今回は体幹の肋骨を題材に取り上げたいと思います。

湾曲部が多い肋骨や鎖骨などの観察は意外と苦手な方が多いようです。

図1肋骨

byヒューマン・アナトミー・アトラス

肋骨は構造上、骨同士が重なってしまいレントゲンだと鑑別しにくい部分がありますが、プローブの直下の観察をするエコーは肋骨の観察は部位として得意と言えます。

プローブ物持ち方は、プローブの先端から指をはみ出しておきます。こうしておくと指先で触診をしながら、プローブを走査することが可能です。

まずは実際の施術の現場で使用するときに、理学所見、特に限局性圧痛をしっかりとることが重要です。

限局性圧痛のある部分に、肋骨に対して短軸になる様にプローブを当てます。

図2 肋骨 短軸像

半円の線状高エコーが肋骨です。上下にスライドすると、隣の肋骨の存在を確認できます。

肋骨を骨軸の方向に短軸のまま追いかけて、この半円の線状高エコーの連続を確認します。

図3 肋骨 長軸像

一通り観察をしたら、そこからプローブを90度回転させて、肋骨の長軸像を得ます。

ここで注意すべきは、短軸で確認した肋骨と同じ深度に、この肋骨の長軸像が得られることです。また骨の深部には多重反射のアーチファクトが認められます。

肋骨の長軸をキープしながらプローブを平行移動させて肋骨全体を観察します。骨の線状高エコーの連続に異常がないか確認してゆきます。

痛みを訴えている肋骨の上下も確認するとよいとおもいます。

これで肋骨の損傷を確認することが可能となります。

肋骨の観察は、幾層もの虚像・アーチファクトが出やすいことは注意点です。また、分からなくなったら、90度回転させ短軸に戻るとよいと思います。

短軸➡長軸➡短軸と行ったり来たりすることで、周囲の肋骨と併せて把握することで見逃し等を防ぐことができると思います。

エコーでは肋骨周辺の血種の存在や新生血管、初期の仮骨の形成からリモデルされていく経過などを観察することができます。仮骨の音響陰影を確認することで、初期の仮骨から固まってゆく様子の確認も観察できます。

「怪我の経過を確認する時にエコーがある」と言うのは、患者様と先生の双方にとってとても有用です。患者様の訴えに対し、問診・視診・触診・徒手検査に、『エコー観察』の客観的画像の情報を加えると、より適切に患者様の状態に寄り添うことができます。

適切な施術の選択が出来ると、先生と患者様の信頼関係はさらに強くなると思います。

超音波による観察は簡便にリスクなく行えることから、柔整にとって強力な武器になると考えられ、そのさらなる普及を願っております。

株式会社エス・エス・ビー
営業企画本部 青木崇晶

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