アールエイ姿勢均整研究会
代表 青柴 龍昇
今回のタイトルはこちら!
第6回 脊椎バイオメカニクス
テーマ:胸椎運動学
今回は胸椎・胸郭について簡単な内容を復習しましょう。
症状的に申しますと、呼吸がしにくい、あるいは肋間神経痛あたりでしょうか。
授業で習われた呼吸器疾患として、気管支喘息、COPD、気管支拡張症、肺線維症(間質性肺炎)、肺結核、肺癌等を思い出される事と思います。
また、呼吸リハビリテーションを往診等でされている先生も多いと思いますが全体的な呼吸運動を助けてあげるというのが目的と言えます。
では今回は胸椎の運動学について復習していきましょう。
1)屈曲・伸展運動
(1)胸椎運動分節での屈曲・伸展は、矢状面回旋とわずかな矢状面平行移動の複合運動となる。
(2)屈曲・伸展の可動域は上部胸椎で、平均4度、中部で6度、下部の2胸椎で12度となる。伸展は棘突起の接触により屈曲よりも制限される。
屋根瓦上に外に関節面が引っ付いていますので屈曲はある程度いきますが伸展は棘突起で衝突しストップします。
いずれにしましても肋骨がなかったら屈曲はそれなりにしやすいことが分かります。
第11胸椎,第12胸椎は浮遊肋骨だから前方移動しやすい理由で可動域は大きくなります。
カパンティー関節生理学 引用
2)回旋運動
(1)回旋可動域は、上部胸椎で8~9度であり、下部2~3胸椎でおよそ2度まで大きく減少する。
(2)回旋運動には同側の側屈が連動するが、下部胸椎では明らかではない。
カパンディー関節生理学 引用
関節の形状上、右に回旋すると右側が下がり、回旋運動による側屈運動は同側連動となり、屈伸運動とは逆に下部胸椎で小さくなります。
なぜか?
これは関節面の形状が答えてくれます。
3)側屈運動
(1)側屈可動域は、両側におよそ6度であるが、下部2胸椎では7‐9度とやや大きい。
(2)胸椎の側屈運動には反対側の回旋が連動(肋骨による力?作用)するが、上部胸椎(おおよそT1-T4)においては必ずしも顕著ではない。
これを理解するには、この引用文を一読してください。
回旋運動では側屈運動と同側連動ですが、側屈運動では回旋運動と逆側連動になる箇所があるということです。
簡単に説明しますと、回旋運動は肋骨の捻じれ圧力に勝る力で回旋しようとしますし、側屈運動は肋骨の捻じれ圧力に負け同側回旋できないのでしょう。多分?
カパンティー関節生理学 引用
メリデル・ガッターマン著 カイロプラクティックマニュアル引用
上位胸椎の運動学的特徴は、頚椎と同じであるが、下位胸椎の場合は腰部と同じである。このことはそれぞれの部位の連結でみるともっともわかりやすい。
頚椎および上位胸椎では、側屈のとき棘突起は凸面を描いて動くが、下位胸椎では凹面を描く。棘突起の動きが逆になるこの移行部位は大体T6である。
胸椎が側屈している間は、屈曲側の胸郭は下がって肋骨間は狭まり、肋軟骨角は小さくなる。反対側では胸郭は上がり、肋骨間は広がって胸郭が拡大する。胸郭は椎骨のてこを長くし運動の慣性を増すことによって、あらゆる面での運動に対し安定性と抵抗性をもたらすのである。
胸郭がある胸椎についての、簡単な運動学でした。
興味をもたれた先生!
是非とも、私の勉強会にいらしてください!!!