竹内整骨院 院長 竹内 廣尚
【タイトル】
『いろいろな治療法』第3回
〇3回目となりました。
・今回は「姿勢による健康診断」として話を進めていきたいと思います。
1、肝温脾冷(かんおんひれい)って何ですか。
・これは自分でも調べられます、朝晩見てね。
2、寝そう・寝姿について。
・今まで気にもしていなかった寝た時の姿で疲れ具合がわかります。家族の皆さんや友達と比べてみてください。
3、動作による健康度もチェックしてください。
4、お腹の皺を診る(王様のお腹)
・鏡でお腹を見て下さい。
5、生まれたての赤ちゃんの皺もチャンスがあったら見て下さい。
6、子供の健康法
①くすぐり療法
②乾布摩擦
③子供が急に熱を出した時
④赤ちゃんの便秘の治しかた
⑤知恵熱について
1.「肝温脾冷(かんおんひれい)って何?」
人間の体は、肝臓部が血液の流れが多く、温かい。脾臓部は赤血球を破壊するところなので冷えているのが正常です。
朝晩床の中で、右手で右季肋部を押さえ、その手を左季肋部に移すと、右季肋部が温かく、左季肋部が冷たいと感じる人が健康です。
(その左右差は0.5~1度です。中には1.5度差のある方もいます。)
反対に脾温肝冷になっていた場合は、調子が悪いか、体調を崩す前ぶれです。例えば手術の前に肝温脾冷であったら予後が良いし、逆の場合は予後も悪いという話を聞いています。ということは、病気であるけれど肝温脾冷であればそれなりに体調が良く、早く元気になる人です。
朝晩、毎日ご自分でチェックして下さい。(温度計)
2.寝相・寝姿について
寝相の悪い人は健康な証拠です。 赤ちゃんが寝ているときゴロゴロ転がることで疲れを取ったり、身体のバランスを整えています。寝る事もエネルギーが必要なのです。
寝たとき(寝姿)の足先の姿勢と身体全体の姿勢を診る。
(人間はどんな時でも健康度がチェックできます)布団に入って寝た時に注意してみて下さい。
イ)元気な人は、寝た時は足先が逆ハの字にたっている。
ロ)体が疲れてくると足先(指先)が段々前に倒れてきます。
ハ)その疲れ方がもう少し深くなると両足が両外方に開き倒れていきます。(大腿内側の筋肉が疲れている為に、精力減退で過労な人です。エネルギー不足になりやすい人ともいえます。無理をすると病気になります。よく電車の中で足を開いて座っている人がいるでしょう。その方も精力減退の方です。)
ニ)片方だけ倒れている人は、腰椎に異常がある人です。(腰が痛いと訴える人が多い。)
ホ)寝た時に足を上げて寝る人は、その側が疲れている人です。
ヘ)手を頭上に挙げて寝ている人。
胸部の疲れた人で、手を挙げることによって胸郭が開き、呼吸が楽になります。
ト)手を頭の後ろで組んだり、頭を押さえている人。頭の血液循環の悪い人で、無意識に循環を良くしています。片方だけ頭の下に敷いている人も同じです。
チ)胸の前で肘を曲げ、手は握っている人。
肝臓の疲れた人です。東洋医学としては、肝の臓と握ることに関係があるとされています。ちなみに手を開いて寝ている人は心臓が疲れている人です。
肝臓が悪くて入院している人は握っている人が多いです。
リ)腰の悪い方は膝を曲げて寝ます。
33.動作による健康チェック
イ)電車の中で吊革につかまって立っている姿
身体を捻じっている人は、身体の疲れを無意識に取っている人です。
(縄を編むと強さが出るのはそのためです。)
普通の人は吊革につかまって真っすぐに立っているでしょう。
ロ)電車で座って足を組む人や、オフィスの椅子に座って足を組んでいる人。
最初に元気な方の足を上に組みます。疲れてくると逆の足を上げて組みます。
寝た時に上げる足は疲れた側の足を上に乗せます。この様な人は相当疲れが酷い人です。
※座った時と寝た時の足の組み方は違います。
4.お腹の皺(しわ)を診る(王様のお腹)
お腹の皺
お腹を出して皺を見て下さい。左右つながっていますか?
3本の皺がつながって正中の縦線で王様の王と書ければ体のバランスが整っています。
5.生まれたての赤ちゃん
生まれたての赤ちゃんの皺を見て下さい。肩、肘、手首、身体、上半身、下半身、ソケイ部、膝、足首の皺が左右同じです。ソケイ部の皺の数が左右違っている子が先天性股関節脱臼で女の子に多くお母さんは注意して見て下さい。
6.こどもの健康法
① くすぐり療法
簡単な方法として、こどもをくすぐってみてください。こどもは自分の楽になる方向に逃げようとします。その逃げる動作の速さによって脳細胞の発達度がわかります。
a.すぐに逃げる子
⇒ 脳の発達が早い子
・・・2~3秒くすぐっては呼吸を整えて、2~3回くりかえして下さい。
頭が良いという事ではなく脳細胞の発達が早いという事です。
b.両腕を縮ませて固まる子
⇒ 脳の発達が遅い子
・・・どんどんくすぐりましょう。
② 乾布摩擦
コットンタオルなどのやわらかい布で腕や背中をさすってあげます。背中をさするときは抱っこして、擦ってください。赤くなったら効果が出ております。
③ 子供が急に熱を出した時
あおむけに寝かせ、あごを、左手の指3と4の間で押さえ、右手の掌であたまを抱えて、ゆっくりとこどもの頭を上の方へ引っ張ります。
急にひっぱったりせず、ゆっくりと20秒間くらい牽引すればいいでしょう。
・数分後熱が下がります。(確認してください)
④ 赤ちゃんの便秘の治し方
時計回りにお腹を20回ほどさすってください。次に右人差し指の横側を擦ってください。
(私の弟子は泣くほどさすりました。と報告が有りましたが、それはやりすぎです、気持ちの良い程度に擦ってやってください)⇒便がでます。
知恵熱について(ある勉強会で聞きました)
頭蓋骨の発達よりも、脳細胞の発達がはやいと摩擦が生じて知恵熱が出るそうです。ただし、頭が良い、悪いとは関係ありません。
桃山学院教育大学アスレチックトレーナー 川西 弘晃 NATA-ATC
【タイトル】
アスレチックリハビリテーション実践編
【足底筋膜炎:プログラム後編】
患部の痛みが最小限になり跛行なしでの歩行ができるようになれば競技復帰を目指して足関節や股関節の筋力トレーニング、ジョギングを開始しましょう。
<プログラム後編>
①重心調整
②足底ストレッチ
③下腿ストレッチ
④クッションラン
⑤チューブ外反運動
⑥チューブ内反運動
⑦ヒールレイズ
⑧ウォーターバッグランジ
⑨ランニング
①重心調整
②足底ストレッチ
③下腿ストレッチ
④クッションラン
⑤チューブ外反運動
⑥チューブ内反運動
⑦ヒールレイズ
⑧ウォーターバッグランジ
⑨ランニング
徐々にジョグからランニングへと移行して競技の特性に合わせてランニングやアジリティーメニューを増やしましょう。
御園治療院 院長 中村 秀一
【タイトル】
関節の連動性
最大可動域という概念ではなく、関節の遊びという概念で詳しく調査してみると、最大可動域が大きいから正常かと言えばそうではないことがわかります。
身体の柔らかい人は、逆に異常を起こしやすく、バレリーナのような関節可動域が大きい人が他の運動をすると関節は壊れやすいのがわかります。これは、キチンと関節の遊びを評価をしながら臨床をやっていればすぐに気づくはずです。
関節の柔らかさと強さは両立していなければなりません。つまり関節が柔らかい=健康ではないということです。もちろん固まり過ぎた筋肉や関節も、壊れやすくなるのは言うまでもありません。しかし、単純に緩めるだけの目的で無闇にストレッチを行うと逆に怪我をしやすい身体を作ってしまいます。
この場合、重要なことは、代償運動を考えて運動しているかどうかです。それは、関節が柔らか過ぎる人の場合も全く同じです。関節が柔らか過ぎると代償運動に気づきにくくなります。もちろんストレッチ自体が悪いと言うのではなく、代償運動を考慮しない無闇なストレッチは危険ということです。同じストレッチの運動を行っても意識を使うことで効果に大きな違いがあります。
私は鍼灸師なので、関節の専門家ではありません。しかし、どのような関節でも、必ず遊びがあることはわかります。逆に関節の専門家は、あまり関節の遊びについて考慮していません。
実は、遊びを正常化させることで力を使わなくても症状を改善させることができるのです。しかも一瞬で変化します。もちろん、それを意識していないと元に戻る力も働きますので治療だけでなく、自分自身で行うケアも重要だとわかります。
関節の遊びに気づき、運動を理解することによって、経絡の存在をより明確にすることができます。
この動画では、大腸経の触診をしています。腕関節のあたりで蛇行が強くなり、大腸経方向に動きが悪くなっていることがわかります。
関節の可動域ではなく、関節の可動状態を観察してみると、経絡の蛇行部位と一致するというのもわかります。また曲池も肺経の尺沢側に変位しているので、肘関節にも問題があるのもわかります。この影響が上腕二頭筋や三角筋、大胸筋の緊張を引き起こして僧帽筋の緊張も引き起こしているのがわかります。
関節の遊びの方向性が隣り合う関節では逆回転の力がかかっているということは、力の方向性が螺旋状に捻れが起こっている方が伝わりやすいということを意味しています。赤ちゃんが産道を通る時も回転しながら出てくるように自然の営みなのだと思います。
この動画の例も腕関節では小指側に変位が大きく、肘関節では屈側に変位しているのもわかると思います。
関節だけでなく、経絡もそれに準じて変化していることが経絡の望触診によってわかります。
経絡を望触診できるようになると、異常を起こしている経絡は、本に書かれているような正規のルートを通らず蛇行してしまうこともわかります。つまり、関節の異常と同じく経絡も蛇行するだけでなく、太さも深さも変化しています。
特に経筋系では、それが顕著です。また穴も関節の周囲には多く存在する訳ですが、その理由として、関節をまたいで経絡が蛇行していることが多いからだろうと想像できます。
関節は、運動だけでなく、経絡という目に見えないエネルギーの流れみたいなものと協調しているということです。そして経絡の蛇行現象が起こっている場所は、関節にとどまらず痛みや圧痛、症状も出やすくなり、その周囲の関節可動域も制限されていることが多いということです。
鍼灸師は関節の構造に弱い人が多く、関節の動きをないがしろにする傾向にあります。しかし、関節の動きや遊びと経絡は切っても切れない関係にあるので関節の動きをないがしろにするのは経絡を望触診できないと言っているのと同じです。それでは、鍼灸師として失格です。
その為にも経絡を望触診できるようになることが何よりも重要です。鍼灸師にとって、経絡を望触診できないのに穴や経絡と言うのはナンセンスです。望触診することができれば、WHOで決められた穴の位置が正しいと言えないのがよくわかります。そして、初心者とベテランで効果の違いが大きいという理由もわかります。
生きているのですから経絡や穴も変化して当たり前です。ベテランは、それを直感的に見極め施術するから効果が出るのです。それなら経絡の望触診の技術を身につければ初心者でもベテランに近づくことができる訳です。
関節の遊びを正しく観察することは、経絡を望触診する為の術者の感覚の訓練にもなります。まず物理的な誰にでも理解できる関節の可動状態を観察できるようになってから経絡の望触診の技術に近づけていくことで、生きた経絡を観察することができるようになってくるのです。
また関節の遊びを観察することは、患者さんに、その人にあった運動の方法を伝える為のヒントになります。これは、自己の運動法にもつながり患者さんの意識を高め治癒を早くさせることができます。
力任せの運動法ではなく、バランスをとることを学べます。意識を高め代償運動のないエネルギー効率の高い動きを習得することで健康状態を保つことができるようになっていきます。
健康状態というのは引き算です。一日のうちでどれぐらいのエネルギーを消費してしまうかで決まります。しかし、通常のカロリー計算の概念とは全く違います。エネルギーに片寄りがあれば、物理的にエネルギー消費が高くなります。片足で100m走るのと両足で走る時、どちらが片寄りが強くエネルギーが消費されるかはあきらかです。
バランスの悪い動きは、エネルギーを無駄に消費してしまいます。それは疲れが早くくるということを意味しています。つまり健康状態に大きな損失です。また、どれだけ栄養をとっても、それが吸収されなければ意味はありません。排泄するか貯蔵するかのどちらかにまわります。偏った運動は、内臓の機能にも影響を与えるのです。
一般的な栄養学は、栄養を摂れば吸収されるという考えです。だからこれぐらいの量は摂取しなさいという指導をする訳です。これには大きな疑問が残ります。
吸収できてこそ栄養なのです。吸収される為には運動していなくてはなりません。胃も腸も運動によって吸収率が違うのです。だから東洋医学、特に日本の鍼灸では腹診を重要視する訳です。
御薗治療院 中村秀一 omisono@gmail.com
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ニコニコ接骨院 院長 酒田 達臣
【タイトル】
『接骨院の診察室』 第2回
=前回までのあらすじ=
2022年1月14日午前11時35分。
「くも膜下出血疑い」で僕が救急車要請。
Aさんの搬入が終わったところに遅れてやってきた、トリアージの医師。
救急車の中で20~30分診察をした後、
「くも膜下出血ではありません。」と明確に否定。
「脳神経外科以外の診療科に搬送させます。」と言い残して帰ってしまった。
ほどなく救急車は出発。
混乱した僕は…しかしながら何一つすることはできず。
ただ立ちつくすのみだった。
夜にお連れ合い様に電話するも…繋がらず。
翌朝。
お連れ合い様が来院され、昨日のその後を報告してくださった。
救急搬送された病院で、やはり「くも膜下出血」と診断されたと。
緊急手術となったが、助かるかどうかはまだまったくわからないと。
Aさんが助かるかどうか、「この2週間が山場」と言われたと。
シリーズ最終回となる第三回の今回は、僕の思いのたけを書かせていただきます。
僕は接骨院ですから、医療ピラミッドの「最底辺」に位置する存在です。
医師にモノ申すことができる立場ではありません。
しかしながら今回だけは。
日本の一市民として、正直に発言させていただきます。
僕があのトリアージの医師に感じた「悪い予感」は、残念ながら的中していました。あの医師は、僕の話を聞きながら「馬鹿にした表情」を見せました。
人の話をちゃんと聞こうという姿勢を持ち合わせていませんでした。
診察はその90%が「問診で決まる」と言われています。
そのくらい、患者さんからの情報は貴重です。
それは、たかが接骨院からの情報だろうが、ご家族からの情報だろうが、
同じことです。
もちろんその情報には、バイアスがかかっているかもしれません。
間違えた医学知識がベースになっているかもしれません。
しかしだからと言って、「無用な情報」ではないのです。
問診は「情報収集」です。
しかし、言葉通りに受け入れることが情報収集なのではありません。
「その言葉の奥にある真実」、「患者さん本人や情報提供者というフィルターを通る手前にあった真実」を、その言葉からつかみ取ることが大切なのです。
なぜこの人はこう言うのか。その言葉を発したこの人はどんな”事実”を見たのか。それを推測するのです。「映像化」して。「あらゆる可能性」を想定しながら。
…この、「問診の基本中の基本」が、この医師には備わっていませんでした。しかも、「red flag」を簡単に見逃しました。
…この医師は「医療者が決してやってはならないミス」を犯しました。
それは「思い込み」です。
「negative predict value」と「positive predict value」という言葉があります。私たち医療者にはこの2つが常に付いて回ります。
すなわち、
①「ある病気が患者さんの中に存在するかも知れない」と思って、「実は存在しなかった場合」と、
➁「ある病気が患者さんの中に存在しない」と思って、「実は存在した場合」。
この2つのうち、①もあまり度を過ぎるとよろしくはありません。
何でもかんでも「存在するかも知れない」としていたら。
貴重な医療資源を無駄遣いすることになりますし、患者さんの時間も経済も無駄にしてしまいます。
この意味で「診察の精度」を上げていくことは、もちろん重要です。
しかし最もやってはならないこと、あってはならないことは、②です。
「くも膜下出血はない」として、実は「くも膜下出血があった」では洒落にならないのです。
患者さんにとっては、それが重大疾患であればあるほど、その医療者が下した判断がご本人に及ぼす影響は深刻です。
この医師は、そこが根本的にわかっていないのだと思います。
誰がどう見たって、Aさんが僕に伝えた「1月7日の頭痛の起こり方」は、
「決して帰してはならない患者」のそれだからです。
要するに、red flagです。
あらゆる方法で検査をして、くも膜下出血がないことが立証されるまで、「くも膜下出血ではありません」などと安易に結論を出して良いはずはないのです。
…ここまでの文章は、Aさんがくも膜下出血を起こした2日後に、僕が書き残したメモから引用しました。
その後僕は1週間、トラウマと言うのでしょうか、Aさんが目の前でひっくり返った映像が瞼の裏から離れず、なかなか寝付けず。
寝たら寝たで、変な夢ばかり見て目が覚めるという日々を送っていました。
「どうか、神様…。Aさんが助かりますように。」
それだけを祈っていました。
Aさんが、命が助かるかどうか本当にわからない、瀬戸際にまだいらしたからです。
1週間経過したところで、僕は次のようなメモを書きました。
『それにしても。
あのトリアージに来たドクター。
なぜ僕のところにもう一度あの時の状況を聞きに来ないのでしょうか。
僕が医者だったら、絶対に聞きに行きます。
くも膜下出血を起こしたばかりの患者さんを診て、
「くも膜下出血ではない」というとんでもない誤診を自分が下したというのに。
二度とその間違いを犯さないために。
一部始終を見た唯一の人間で、しかも発作直前に問診をして、その1週間前に起きた「前兆の頭痛」についてもAさんから唯一直接聞いている僕に、なぜその時のことを詳しく聞きに来ないのでしょうか。
自分が「くも膜下出血ではない」と診断した患者さんと同じ患者さんを僕が診て。なぜ僕の方は「くも膜下出血だ」と考えたのか。
僕がどの事実に注目し、それをどう評価し、どういう医学的根拠に基づいてそう考えたのか。
どうして、それを聞きに来ないのでしょうか。
この医師は必ずまた同じ誤診をします。
いずれ開業したら、同じような患者さんを、風邪とか言って痛み止めだけ出して帰します。
そしてその数日後か数カ月後かは分かりませんが、どこか別の所で更なる大破裂を起こして、患者さんが亡くなっても。
気付かないまま、一生診療を続けていくでしょう。
あるいは何かのことでそれを知ることになっても、果たして振り返りや反省をするでしょうか。
自分が誤診した経緯を振り返り、反省をして、情報を集め。
二度と同じことをしないように、自分の診察法と考え方を修正し組み立て直す。
この当たり前にやらなくてはならないことを、1週間経ってもこの医師はまだしない。
とんでもないと思います。
本来なら何らかの「強制力」を持って、
こういう重大な誤診をした医師には勉強のし直しをさせる、
…それが必要ではないかとさえ、思います。
Aさんがもし助からなかったら。
僕はこの医師を許しません。
彼が救急車の中で無駄に浪費した20〜30分がなかったら、
もしかしたら結果が変わっていたかも知れないのですから。
病歴(症状の経過)を聞いただけで、誰がどう見てもくも膜下出血の可能性が限りなく高い救急患者さんに、ちんたらした診察なんか必要じゃありません。
一刻も早く手術が出来る脳神経外科医の元へ搬送して、検査する、
それだけです、必要なのは。
そしてあの時、119番と僕との間でその段取りは、
最短時間で既に整っていたのです。
…何とかしなくてはいけないと思います。
当然、末端の我々のような接骨院も含めて、医療に関わる仕事をする人間たちが、重大な誤診を繰り返さないように「生涯にわたって教育する仕組み」を、何としても作らないといけないと思います。
医療訴訟という手段もありはしますが。
日本市民のほとんどは、誤診されても黙っています。
僕は誤診した前医を訴えた患者さんを、見たことがありません。
患者さん頼みでは、繰り返される重大な誤診を防ぐことは出来ません。
「国家的な仕組み」の構築が必要だと思います。
今回のような重大疾患の手術が行われたケースに限ってでもいいから、
「前医にその情報が伝えられるような仕組み」、
少なくとも、それだけでも良いから、構築していただきたいです。』
…その後。
Aさんは本当にありがたい事に、回復されていきました。
お連れ合い様が接骨院に来院されて、逐一報告してくださいました。
今日は言葉をしゃべった。今日は車椅子に乗った。ご飯を食べられた。歩き始めた…。
山場と言われた2週間がたったところで、僕はもう一度今回のことを振り返り、次のようなメモを残しました。
『あのトリアージのドクターは僕に、「くも膜下出血ではない」と言い切って、「脳神経外科ではない診療科に搬送する」と言った。
その指示通りに、もし内科や精神科が対応していたら。
Aさんは救急車の中で意識も戻って受け答えもしていたのだから。
「てんかん発作ですね」ということで脳波検査の予約でも取られて帰されていたら。
その後サードアタックでAさんは即死していたかも知れない…。
①発作を起こす僅か3分前に。僕がAさんから、くも膜下出血のマイナーリークを強く疑わせる「1週間前の突発ピーク型頭痛」についての情報を運よく聴取できていたこと。
➁その情報が119番から病院側に伝わっていたこと。
➂そして病院側の判断で、トリアージのドクターからの要請に反して、初めから脳神経外科医が待機して、搬送されたAさんをすぐに診察してくれ、僕のカルテも読んでくれたこと。
この3つのうちどれか1つでも欠けていたら。
想像するだけで怖いです。
だってAさんは、「頭が痛い!」と口に出す間もなく、突然ひっくり返って意識を失ったのですから。
そして20分後には救急車の中で意識も戻り、普通に喋り始めたというのですから。
僕が3分前に聴取した情報がなければ、てんかん発作の可能性が高いと考えておかしくはないと、言えるのですから。
怖いです。想像するだけで。
まだAさんは入院中ですので、退院されるまでは心配ですが、ようやく、あの時の映像が頭から離れず眠れないということはなくなってきました。
早く元気になったAさんにまた会いたいです。
ご回復を心からお祈りしています。』
そして、2月28日。発症1か月半後。
僕は次のようなメモを書いています。
『Aさんが今接骨院に歩いて来てくれた😭2日前に退院したって…。
前と変わらぬ笑顔、変わらぬ喋り方、変わらぬ明るさ😭
神さま有り難うございます😭本当に、有り難うございます😭🙏🙇♂️』
この原稿を書いている現在、Aさんは発症から5か月を無事に過ごされました。もう、くも膜下出血を起こす前と、神経系統には何も変わりがないところまで回復されました。
入院中の筋力低下はまだ回復途中ではありますが、どんどん一人で歩かれています。今までと同じく、冗談を言い、周りの人たちに笑顔をふりまかれています。
さて。
Aさんのこのシリーズは今回で終了です。
いろいろ私見を述べさせていただきましたが…
皆様はどのようにお考えになられたでしょうか。
私たちの命と健康を守る「医療」。
どのように改善していくのが良いのか。
今後もご一緒に考えていけたら嬉しく思います。
次回からも、私自身の誤診やヒヤリハット事例も含めて、大切な情報をお伝えしていけたらと思います。
頑張りますので、よろしくお願いいたします!
合同会社一歩 代表社員 川崎 初美
【タイトル】
痛みのある方への接し方と訓練から自主トレへの促し方
1.痛みの役割について
今回は痛みをテーマにした話をしていきます。みなさんが痛みを感じる時は、どのような時でしょうか。階段を昇る時、椅子から立ち上がる時、歩き始める一歩目など、膝に力を入れた瞬間や、大きな力を入れる直前に経験していることが多いかも知れません。
また、起き上がろうとした時の痛みや、物を拾う際に体をかがめる姿勢で腰を痛めてしまう。腕を上げようとしたら肩に痛みが走る。痛みは私たちの気持ちを不快にさせて、行動しようとする意欲を低下させます。でも、それだけでしょうか。痛みは私たちに何かを知らせてくれています。
ほとんどが左右の使い方が偏った結果、変形していたり、体重が増えることと筋肉で支えることのバランスが崩れてしまっていることで炎症が起きていたりします。大きな違和感に至る前に姿勢を正したり、体重の調整を加えたり、筋力を強化して骨への負担を減らしたりするための気づきになります。
2.痛みと生活の不具合
生活していくためには、身体を動かさなければなりません。そのような時に痛みがあると、動きが止まりますし、痛みの強さにもよりますが、その動作が出来なくなったり、繰り返したくない気持ちが勝って、慎重に動いたり、動きの幅が狭くなり、行動範囲そのものが狭くなっていきます。鈍い痛みや、身体が重く感じる、しびれるなどの不調は、気分を下げますし、不機嫌な状態を作りやすくなります。
3.痛みを和らげるためにすること
痛みを和らげるためには、どのようなことをすれば良いでしょうか。いわゆる正しい綺麗な姿勢は、身体に余計な力を使わずに楽に動かすことが出来るので、試してみる価値があります。もう少し積極的な改善方法としては、痛みのある部分を擦ることです。年代にも寄りますが、子どもの頃に転んだりぶつけたりして痛みが生じた時に、擦ったりしませんでしたか。
その擦り方にはコツがあります。おまじないのように心理的な効果を狙うのではなく、筋肉をゆっくりほぐして周辺の血行を改善させましょう。両手で太ももやふくらはぎを挟んで、両方から押し付けながら揺らすことで、力が抜けやすくなります。ポイントは、「押し付けながら揺らす」です。さらにもう一つ試して欲しいことは、朝に布団の中で、身体をくねくね揺らしてから起き上がると、急に起こる激痛がなくなり、膝や腰の痛みが軽減します。
身体を揺らすことは、ウォーミングアップになるからです。同じ姿勢を長く取っていると、姿勢を変える時に違和感があります。高速道路でパーキングエリアに入り、トイレに向かおうと座席から立ち上がった時の感覚です。長く同じ姿勢を取った後の動き初めには注意しましょう。
4.行動を止めてしまう2つの壁について
何か新しいことを始める時に、自分に出来るのだろうかと疑問に思うことはありませんか。新しいプロジェクトを成功させる。資格試験に挑戦して合格するなどの大きな変化だけではなく、自分の身体の痛みやだるさを軽減させるという未来の状態を作る目標にも活かせる行動についての話です。
何をやるのかがわかっていて、目標を達成するまでには、行動を止めてしまう2つの壁が存在します。1つめの壁は行動を起こせないこと。この壁を超えるには、「自分でも出来そうだ」と思えることが重要です。過去の成功体験や、あの人が出来ているから、きっと自分も出来るという代理体験、納得がいくまで説明を受けるなどが有効です。
2つめの行動を起こしてからの壁は、目標が達成するかどうかの不安に押しつぶされること。
図1 目標達成までの道のり
ここでは協力者と仲間の存在が欠かせません。サポートや支え合うことで継続出来て、目標に向かって歩めていることの実感が壁を超える原動力になります。
図2 実施者の心の動きと行動への変化
5.自主トレーニングが定着していくための工夫
自主トレーニングを定着させるために必要なことは、まず自分の生活リズムを振り替えることです。現在習慣化しているものは何か。新たな習慣づくりよりも、既存の習慣に少し加えるようにして定着化を図ります。
カーテンの開け閉め、洗顔・歯磨き、着替えなどの生活習慣、外出される方であれば経路の選択、散歩が定着していれば丁寧なストレッチを加えるなども有効です。