桃山学院教育大学アスレチックトレーナー 川西 弘晃 NATA-ATC
肩のケガで代表的なものは、脱臼や亜脱臼、腱板損傷などが挙げられます。術後やそうでない場合も含め、腕が上がるか上がらないなど自分が今現在どのステージなのかを確かめることが大切です。
また、競技復帰のカギとなるポイントは患部が使えなくても患部以外の使える部分をしっかりトレーニングすること。患部が治ってからトレーニングしたのでは復帰が遅れます。
<ステージ2;肩関節外転・屈曲が80%回復>
6~12週目、可動域100%改善を目指すと共に能動的運動を積極的に開始する段階です。ステージ1に追加する形で実施しましょう。
①スティックROM改善2種目
②等尺性運動8種目
➂タオルスライド4種目
➃肩甲骨内転・外転運動
⑤肩甲骨上方回旋・下方回旋運動
⑥ストレッチ3種目
【プログラム紹介】
➀スティックROM改善2種目
80㎝ほどの棒を用意します。患側で棒の先を握り健側で反対側を持ち誘導します。外旋可動域は脇を締め上腕を軸に外側に押します。外転可動域は身体の横から上方向へストレッチするように持ち上げます。大きく息を吸って吐きながら10回3セット、痛みの出ない範囲で実施しましょう
②等尺性運動8種目
外転・内転・屈曲・伸展・外旋・内旋・水平屈曲・水平伸展、それぞれの動きに対して10秒間、等尺性筋収縮(動きを伴わない押す動作)を用いて筋力向上トレーニングをします。大きく息を吸って吐きながら10回3セット実施しましょう。
➂タオルスライド4種目
机又はベッドにタオルを置き雑巾がけのイメージで肩の運動を行います。動画のように様々な角度でゆっくり肩関節を軽くストレッチを混ぜながら動かします。大きく息を吸って吐きながら10回3セット、痛みの出ない範囲で実施しましょう。
➃肩甲骨内転・外転運動
腕立て伏せするイメージで両手を壁につきます。身体が壁に近づくように肩甲骨同士を寄せる動作(外転)、そして壁から離れ肩甲骨同士が離れるように(内転)動作を繰り返します。大きく息を吸って吐きながらゆっくり10回3セット実施しましょう。
⑤肩甲骨上方回旋・下方回旋運動
腕立て伏せするイメージで両手を壁につきます。親指の間を10㎝程離し親指を軸に下方に回します。(肩甲骨下方回旋)次に親指を軸に今度は他の指が重なり合うまで上方に回します。(肩甲骨上方回旋)大きく息を吸って吐きながらゆっくり10回3セット実施しましょう。
⑥ストレッチ3種目
壁を使って角度を変えながらストレッチをしましょう。腕を壁で支えながら腕が伸びるように徐々に関節可動域を広げていきます。棒やタオルを使ってストレッチをしてみましょう。痛みの出ない範囲内でそれぞれできるストレッチから大きく息を吸って吐きながら5分ほど実施しましょう。
川西先生のYoutubeチャンネルはこちら
チャンネル名:アスリハ63
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