膝関節について
今回は膝関節について記事にしたいと思います。
膝関節はよくある外傷のひとつですが、特に内側の怪我が多い印象です。年齢を問わず起こり、この傷病にも超音波観察装置(エコー)を活用されます。
今回は特に好発部位である内側側副靭帯のエコー画像を紹介したいと思います。
内側側副靭帯の動画です。
大腿骨と脛骨をつなぐ靭帯で、損傷が多い靭帯です。
また靭帯付着部は分かりにくくランドマークの把握が重要で、動画のように大腿骨の形状が一番高くなるところを撮影します。その上に走行している組織が内側側副靭帯(MCL)です。
そのまま遠位方向にプローブを移動していきます。
靭帯の走行にプローブをあわせていくと、脛骨に付着するのが分かると思います。
脛骨の上に小さい脈管があるので、それもランドマークになります。
またエコー撮影で非常に重要な肢位ですが、必ず統一することが必要です。
膝の内側観察時にはMCLの下に半月板の一部が観察できますが、屈曲時と伸展時では半月板が動くため、位置が変わりますのでご注意ください。
膝の内側を痛めた患者さんが来院された場合に、問診→視診→触診→徒手検査を行った後、エコーを活用しますが、「どのような肢位で痛み」、「どのような場所に圧痛があるのか」を確認後、
左右比較ができて無理のない肢位で統一することが重要だと思います。
次に外側側副靭帯のプローブワークを説明したいと思います。
※画像は2画面で繋いで描出しています。
ランドマークは遠位側の腓骨頭になります。近位側は膝窩筋溝と大腿骨になります。
その上に繊維質の画像を出します。それが外側の描出になります。
これ以外にも確認方法はありますが、このプローブ走査を行うことで、骨折の可能性の有無、靭帯の損傷の有無、その他、半月板周辺の確認などを行うことが出来ます。
超音波画像を介して、疾患を理解することで患者様により的確に説明することができます。
その結果、治癒までに必要な過程(固定や紹介など)に根拠を持つことができますので、まだ超音波観察装置を活用されていない方は是非検討をしてみてください。
株式会社エス・エス・ビー 執行役員 田島 友博