【メディカル・ハイドロバッグの骨盤の損傷 2】
まずはASについて解説します。ASとは Anterior Superior 前上方の略で腸骨耳状面が仙骨耳状面に対して前上方に離開したことを指します。
これに対して骨盤が後下方に変位する状態をPIと表現します。
ではなぜASという状態が発生するのかについて説明して行きます。
その前に、仙腸関節の関節面はねじ山の一部を投影したような形となっており、ネジがネジ山を移動するかの如く、関節面の距離を変えることなく緩む方向への運動と、締まる方向への運動とを繰り返し行っています。
方向においては踵接地時に締まり、離趾地時に緩む方向に運動していることになります。
通常骨盤は腰椎五番から仙骨に向けてかかる状態荷重と、股関節からの下腿反力の力が等しくそれによってバランスが保たれています。
しかし非荷重状態により下肢から股関節への反力が減少すると、腸骨に偶力(物体の異なる2か所に作用する、大きさが等しく向きが反対で、作用線が平行な一対の力)が働き腸骨は前上方に関節面のねじ山に沿って変位します。
勿論、これ以外にも自転車のサドルによる骨盤の離開、生活習慣によるもの、外傷、スポーツによるものなども存在します。
この時、坐骨結節は後方化するために、起始の位置が変わるためにハムストリングスの筋緊張が発生します。
ハムストリングスの緊張は筋膜を介し、下腿部、足底部にまで及びます。
では、ASの状態は立位ではどのように見えるのでしょうか?
あくまでASという表現は、腸骨耳状面が仙骨耳状面に対して前上方に変位したという状態を指しています。
立位での骨盤前傾、を指している言葉では有りませんのでご注意ください。
では、立位はどのように見えるのかを説明します、腸骨のAS発生により重心位置は前方に移動します。
この時、腰椎五番と仙骨のユニットに過剰な力が加わることにより対応の限界を迎えます。対応の限界を迎えると、仙骨と腸骨はその位置関係を保ったまま後方に回転し代償を起こします。
後方に回転することにより、腰椎の前弯は弱くなります。
このようにASの状態は立位で骨盤後傾に見えます。
高齢者の腰椎前弯を失い、脊柱がC字カーブとなり大腿骨軸が外旋し、膝関節が屈曲した姿、これがAS系の行き着く先といえます。
また、ASは運動器障害のみならず、内臓機能、脳機能へも多大な影響があることが知られており、中途半端に触れることは許されないと感じています。
これらのこと、また詳しいメカニズムについては、吉田勧持先生の著書,構造医学の原理、構造医学の臨床、構造医学解析Ⅰ(エンタープライズ)を精読され、理解を深められることをおすすめします。
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