桃山学院教育大学アスレチックトレーナー 川西 弘晃 NATA-ATC

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ハムストリングス肉離れ ステージ1

【ハムストリングス肉離れ】

ハムストリングス大腿部後面の筋肉で股関節伸展や膝関節屈曲に作用します。一般的に大腿部前面と後面の強さとの比率は4:1と言われ後面のハムストリングの方が大腿部前面よりも弱くできています。

従ってハムストリングの筋力不足や疲労の蓄積は肉離れの原因にもなります。スポーツでは一度この筋肉を損傷すると「癖になる」とよく耳にしますが、決してそうではありません。

アイシング、ストレッチ、アスレチックリハビリテーション(ステージ1~3)を段階的に実施することで今まで以上に強いハムストリングスを作ることができます。

<ステージ1>

最初の一週間は、筋肉の痛みと拘縮を和らげ、徐々に可動域を改善する段階です。アイシング20分後、アスレチックリハビリテーションを毎日3回、10~20回を3セット実施しましょう。

※2回目以降のアイシングは、必ず2時間以上開けてから行いましょう。

【プログラム】

①ライトストレッチ
②両足バランスボールライトカール
③片足バンスボールライトカール
④ライトアイソメライトカール
⑤シッティングタオルスライドカール
⑥ライト筋膜リリース

【解説】

①ライトストレッチ

➁両脚バランスボールライトカール

➂片足バランスボールライトカール

④ライトアイソメトリクスカール

➄シッティングタオルスライドカール

⑥筋膜リリース

一通り、ステージ1を終えたら①ライトストレッチで終了してください。アスレチックリハビリプログラムは1日2~3回、アイシング+ストレッチは1日3回以上行うようにしましょう。

御園治療院 院長 中村 秀一

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「手の指先の関節」

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手のDIP関節が異常になると、母指以外は、母指側に回転する遊びが大きくなります。

よく観察すると、異常を起こした爪は小指側に傾いて生えようとすることが多くなります。

爪は、打撲等で外力がかかると、それを避けるように生え、それが記憶されてしまうかのように同じ方向に生えてしまうという特性があります。

例えば、爪先を打撲して、内出血した後、爪の生え方が二重になったようになることが時々ありますが、どれだけ時間が経過しても、二重になった生え方は治りません。つまり自然治癒しないのです。

私も打撲の後、二年ぐらい足の母指が治らないのを経験しました。その後、二重になった爪を平面にするように爪を削ると1~2週間ぐらいで元に戻って、その後、二重爪になっていません。

手の爪は、手の使い方によって、慢性的に圧力が加わります。つまり外力が常にかかっていることになり、打撲の状態が続いているのと同じことになるのではないかと予測できます。

手の指先は、伸展して使うより屈曲して使うことが殆どです。

伸展して物を持つことはないので屈曲優位の使い方です。そして、指先の母指側と小指側のどちらかに力が集中する癖がついてしまいます。

DIP関節だけを観察すると、屈曲時に小指側で使ってしまうようです。異常を起こした指は必ずそうなっています。関節には、遊びがありますが、母指側より小指側の方が遊びが大きく癖がつきやすいということです。

リウマチで尺側変位するのは、DIP関節の傾きと連動してMP関節が小指側に傾くからなのではないかと考えると尺側変位の理由も納得できます。

また、この時、PIP関節は、母指側に傾きやすくなります。DIP、PIP、MPで逆方向に傾く遊びが起こるのです。力の伝達は、一つ異常な変化が起こると、それを補う形で動こうとするので隣り合う関節にも影響が出るということです。

当然ですが、その力は手根骨、腕関節、肘関節、肩関節、肩甲胸郭関節へとつながっていきますが、指先は、これらの末端にある為、その変化を観察しやすいという利点があります。

5本の指先からくる力は、体幹に近くなればなるほど、複雑に絡み合うようになるので、一定しませんが指先は、法則どおりに変化しやすいという特徴があるということです。

東洋医学の井穴は爪根部にありますが、井穴が様々な症状に著効することがあるのは、そういう理由があるからだと考えられます。

経絡と力の関係は切っても切れない関係にあります。東洋医学と西洋医学をわけて考えることは本来間違った考えです。

以前の動画でも示したように物理的な力のかかりかたによって経絡も変化していくので、複雑になりやすい体幹部に鍼を刺すのは難しく、末梢部に鍼を打つのは変化がわかりやすいということが言えます。

逆に言えば、末端の臨床は、初心者でも効果がでやすいとも言える訳です。

指先の観察をしっかりせずに、経絡を云々するのは、全くのお門違いです。力の出方と経絡の走行をしっかり理解し、臨床に役立てることが重要です。

また、指先の変化を観察し、問題点を改善することで、複雑に変化した体幹の問題を明確にすることもできます。臨床では明確になるところから調整し、不鮮明なところを鮮明にしていくことで目的を達成できるということです。

指先に起こったしもやけ

この動画は、指先に起こった、しもやけを調整するのに、この考え方を利用しました。一気に血流がよくなり、赤黒かった指先が綺麗な色になってきました。

しもやけも一種の血流障害ですから、何らかの物理的な影響があると考えると不思議なことでもありません。

左手の示指の母指側にのみに起こった、しもやけが改善していく様子をご覧ください。ただ、意識を使った頭皮針で取穴をしていますので、動画を見てもらうとわかるように直接、指先への刺激はしていません。

明確な診断と明確な意識をすることで遠隔部位を刺激するだけで、末梢の循環も良くなっていくという例です。意識を使った頭皮針は、高度な技術と脳神経系の理解が必要な為、ここでは割愛しますが、こういう事実があるということを知っているかどうかで鍼刺激の効果は全く違うということが言えます。

もちろん、指先から調整しても、ある程度効果は期待できますが、この方の場合、指先だけの問題ではないので、この方法で調整してみました。

前回の投稿記事でもわかるように意識は無意識の影響を受けて意識しています。自分が思っているより前の段階で、その行動は決まっているのです。これは意識の操作をする上で非常に重要なポイントです。

もちろん、ただ念じれば良いという訳ではなく、術者の意識の使い方によってこのような現象を起こすことができるかどうかが決まってきます。

人の思いというのは量子力学の二重スリット実験からもわかるように確率的に影響を及ぼすことがわかっています。その思いをどう伝えれば効率的に影響させることができるのかを訓練をしていくことで、頭皮に指先の異常を投影することが可能となってきます。

鍼灸では、耳鍼や高麗手指針、夢分流と言ったように一部分に全身を投影する技術もありますが、これは、術者がそれを起こすだけの能力があることでしか起こらない現象です。それを起こすことができるようになると一箇所の刺激が全体にも部分にも影響する刺激になっていくのです。

この動画はそれを証明していると思います。

御薗治療院 中村秀一 omisono@gmail.com
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理学療法士、国際カイロプラクター
Ken企画 渡辺 賢治

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患者に行う検査の重要性

はじめまして。理学療法士、国際カイロプラクター渡辺賢治です。

今回から検査について連載していきます。まず検査の重要性や意義をお伝えしてから、各種検査についてお伝えしていきます。今回は検査の重要性についてです。

この記事は約3分で読めます。

検査は治療家(院)にとって、入口戦略です。

検査が大事だと誰もが理解していますが、多くの治療家(院)が疎かにしています。診断は医師のもので、侵してはいけないという背景がそこにあるようです。

しかし現実問題として検査をしないで、どのように患者を診ていくのかと疑問に思います。

プロの治療家としてそれで良いのでしょうか?

私も今まで多くのカイロプラクティック院、整体院、接骨院、鍼灸マッサージ院などに患者として通いました。

しかし、しっかり検査をされた経験はありませんでした。

形だけの問診票、簡単な質問の後いきなり治療が始まることがほとんどでした。

酷いときは、いきなりうつ伏せになるように促されることもありました。

このような治療院の先生は、何かしらの技を行い、「どうですか?」と尋ねることが常です。

「あまり変わりません」と言うと、また違う技を行います。再び「どうですか?」と尋ねられ「まだ痛いです」と答えると再び何かの技を行うという、この繰り返しです。

行き当たりばったりの治療なのです。

知ってる技を当てはめていくだけで、それは勘や経験で行われます。

患者としてもそのうちに「うーん…大丈夫なのか?」と不安が増してきます。

そしてとうとう「来なけりゃよかった」となるわけです。

患者がすでにそう思っていると知ってか知らずか、汗をかきながら「やりすぎても身体に良くないので、今日はこの辺で終わりにしておきましょう」ともっともらしいことを言ってリリースします。

初診時は問診や検査などで時間を取るので、初診料は再診料より高く設定している治療院もあります。

しかし私の経験では、検査などまずやってもらったことはありません。

これはあらゆる意味で、あまりに危険です。

検査は治療家(院)に、重大な5つのメリットをもたらしてくれます。

それは以下です。

①患者の問題を見つける
②治療の方向性を決定する
③治療効果を判定する
④リスクを回避する
⑤収益をもたらす

さて、この5つのメリットの中で、要らないものはありますか?

他にもまだまだあります。例えば、患者からの信頼を得る、という事も入り口戦略としては、大きなメリットの1つです。

検査は例えて言うなら「小さな窓」です。1つの検査だけで、すべてが分かるわけではありません。

いくつもの検査を行い、小さな窓を覗くことで、ようやく核心が見えてくるのです。できるだけ多くの窓を開けることが大事で、臨床現場では素早くたくさんの窓を覗くことが要求されます。

たくさんの窓を覗くこと、つまり多くの検査をすることで、問題は筋なのか?関節なのか?神経なのか?骨なのか?内蔵なのか?判断出来るようになります。

問題が分かればどのようなテクニックを使うべきなのか?治療の方向性が見えます。

そして行った治療の効果がどうなのか、術前検査と術後検査を比べることで効果判定の役にも立ちます。

そして何より自分が診れる患者なのか?専門医に紹介すべき症例なのか?そんな判断も出来るようになります。

このとき、例えば腰痛患者に腹部大動脈瘤を見つけたとします。

おそらくその時点で、治療を断念し、専門医へ紹介するでしょう。

その時に治療費を要求しますか?

例えば7,000円で普段治療してれば、腹部大動脈瘤を見つけて専門医へ紹介したとき、7,000円を請求するでしょうか?

請求するという方、治療はしてませんよね?

あるいは何も請求しない、という先生もいるかもしれませんね。

しかしそれはダメです。プロの治療家なら、あなたの一言一言にコストがかかっています。

腹部大動脈瘤を見つけて、治療をしなかったからと言って、無料はありえません。

それは無責任というものです。

検査料を予め設定しておけば、そんなときは、検査料を請求すればよいのです。

これが正当な初診料のあり方です。

検査を行い、問題なければ治療を行う。この時に検査料+治療費をいただけば良いのです。

検査を行い、自分が診るべきでないと判断したときは、検査料のみいただけば良いのです。

あなたの仕事における、検査の重要性とそこから得られるメリットの大きさを考えると、検査は充分にマスターしておかなければいけないスキルなのです。

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