「患者さんとの会話に活かせる九星気学」
「九星気学(きゅうせいきがく)」は、生年月日から性格・相性・運勢・吉方位などを導き出す東洋占術です。
九星気学としての成立は大正時代ですが、九星気学で用いる「後天定位盤(こうてんじょういばん)」は、古代中国の書経や、東洋医学の古典「黄帝内経 霊枢 九宮八風編」でも用いられているため、その歴史は長く、医易同源を実践する最初の一歩として、分かりやすく使いやすい学問です。
東洋占術の中では、子平推命(しへいすいめい)・四柱推命(しちゅうすいめい)の方が詳細な性格鑑定ができて運勢の的中率も高いのですが「宿命は変わらない」という立場であり、九星気学から知りえる気質や運勢は大まかですが必要な運気を吉方位で取りに行くことで「運命は変えられる」という立場で人をみていきます。
「どうなるかよりも、どうしたいか」に重きを置くのが、九星気学です。
今回はその九星気学の一部分を切り取り「施術者が患者さんとの会話に活かせる九星気学」ということについて、初めて九星気学を知る人にも活用していただけるようにしました。
①患者さんと施術者の本質の星を調べてみましょう。
生まれた年から、本質の星が分かります。
1/1〜2/3など、その年の立春(りっしゅん)よりも早く生まれた人は前年の九星になります。※立春の日時は毎年少しずつ変わるので、2月3〜5日生まれの人は正確な鑑定が必要です。
【一白水星(いっぱくすいせい)】
…昭和2,11,20,29,38,47,56年 平成2,11,20,29年の立春以降に生まれた人
=創造性・クリエイティビティ豊かで、愛情深い、財運の持ち主
【二黒土星(じこくどせい)】
…昭和10,19,28,37,46,55年 平成元,10,19,28年の立春以降に生まれた人
=家庭的で、地道な作業が継続できる、育成運の持ち主
【三碧木星(さんぺきもくせい)】
…昭和9,18,27,36,45,54,63年平成9,18,27年の立春以降に生まれた人
=楽しい話術で人を楽しませることができる、若々しさと発展運の持ち主
【四緑木星(しろくもくせい)】
…昭和8,17,26,35,44,53,62年 平成8,17,26年の立春以降に生まれた人
=人との絆や体裁を重んじ、人気と信頼を得ることができる、良縁運の持ち主
【五黄土星(ごおうどせい)】
…昭和7,16,25,34,43,52,61年 平成7,16,25年の立春以降に生まれた人
=自分流を貫き、リーダーシップを発揮できる皇帝星の持ち主
【六白金星(ろっぱくきんせい)】
…昭和6,15,24,33,42,51,60年 平成6,15,24年の立春以降に生まれた人
=ご先祖さまと繋がり深く、組織の中で引き立てられる、仕事運の持ち主
【七赤金星(しちせききんせい)】
…昭和5,14,23,32,41,50,59年 平成5,14,23年の立春以降に生まれた人
=人の心を感動させる話術に長ける、遊びと合理性と金運の持ち主
【八白土星(はっぱくどせい)】
…昭和4,13,22,31,40,49,58年 平成4,13,22,31年の立春以降に生まれた人
=人とは違う目の付け所を持ち、変化や改革を起こす、逆転運の持ち主
【九紫火星(きゅうしかせい)】
…昭和3,12,21,30,39,48,57年 平成3,12,21,30年の立春以降に生まれた人
=直感・インスピレーションに優れ、カリスマ性を持つ、独立運の持ち主
患者さんや施術者の星を調べたら、現状と比較して「本質の星が生かされて本領発揮できているか」ということにも注目してみてください。私の鍼の師匠は「九星気学は当たる外れるではなく、治療や養生で寄せていくもの」と仰っていました。
施術が進むにつれ症状が緩和するだけでなく、本質が出てきて本領発揮できたら一安心としています。
②患者さんと施術者の相性を、五行(ごぎょう)で分析しましょう。
五行とは、東洋医学の陰陽五行論の五行と同じく、万物を「木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)」に分類するものです。
患者さんと施術者の本質の星が分かったら、九星を以下の五行に当てはめて、相性が良いか・性質が似ているか・会話に工夫が必要かどうか…を調べてみましょう。
【木(もく)】=三碧木星・四緑木星の人
◎相性が良いのは、一白水星・九紫火星の人
○性質が似ているのは、同じ木星の人
△会話に工夫が必要な相手は、二黒土星・五黄土星・八白土星・六白金星・七赤金星の人…相手にとって良かれと思っての言葉でも価値観の一致を求めすぎず、相手の話を聴いたり氏神様の話を世間話の間に挟んだりなど、適度な距離を保てば大丈夫です。
【火(か)】=九紫火星の人
◎相性が良いのは、三碧木星・四緑木星・二黒土星・五黄土星・八白土星の人
○性質が似ているのは、同じ火星の人
△会話に工夫が必要な相手は、六白金星・七赤金星・一白水星の人…立場や見た目で判断しないように、お笑いや食べ物の話など振っても良いのですが決して媚びる必要はなく、少数精鋭の濃いファンがいれば自然と人が集まってくるので大丈夫です。
【土(ど)】=二黒土星・五黄土星・八白土星の人
◎相性が良いのは、九紫火星・六白金星・七赤金星の人
○性質が似ているのは、同じ土星の人
△会話に工夫が必要な相手は、一白水星・三碧木星・四緑木星の人…信念や信条を押し付けてしまわないように注意が必要で、相手の反応が良くないと思ったら、相手のお仕事や氏神様の話など話題をすぐに切り替え、和やかな雰囲気になれたら大丈夫です。
【金(ごん)】=六白金星・七赤金星の人
◎相性が良いのは、二黒土星・五黄土星・八白土星・一白水星の人
○性質が似ているのは、同じ金星の人
△会話に工夫が必要な相手は、三碧木星・四緑木星・九紫火星の人…正しく成すべきを成すというスタンスが相手の弱点に切り込んでしまわないよう、食べ物・飲み物などの話題から相手の話を聴き、例え話やクッション言葉を活用し、スッキリとした距離感を保てば大丈夫です。
【水(すい)】=一白水星の人
◎相性が良いのは、六白金星・七赤金星・三碧木星・四緑木星の人
○性質が似ているのは、同じ水星の人
△会話に工夫が必要な相手は、九紫火星・二黒土星・五黄土星・八白土星の人…相手が理解していないと思うと閉じてしまう傾向があるので、最初から理解を求めず、違いも一つの学びと捉え、お仕事や天候の話題など挟み、静かにサラッと流せば大丈夫です。
以上のように、九星気学の相性を踏まえると、複数施術者の院でしたら患者さんの担当者を誰にするか目安にもなりますし、1人施術者の出張鍼灸などでしたら会話や距離感を工夫することができます。
ただ、九星気学の相性は相対的なものであって、絶対的なものではありません。
自分の本質の星を大切にしながら相手の本質の星を尊重することで、九星気学的に相性がよくない相手とも良好な関係を築いている人は沢山いますし、
逆に本領発揮できなくて相手の星や価値観を尊重できず、本来は相性が良い相手とも険悪になってしまう人もいます。
あまり「この人はこう!」と決め付けずに、患者さんへのアプローチを工夫したり、施術者自身の視点を増やしたりするために、九星気学を適度に活用してみてください。
いかがでしたでしょうか。
今回は九星気学を患者さんとの会話に活かす入り口として、簡単なご紹介をしました。
まずはご自身やご家族の本質の星を知ってみて、徐々に患者さんへの会話やアプローチに活かしていただけたら幸いです。
九星気学には本質の星以外にも、社会性の星・潜在意識の星・人生傾向の星など、まだまだ沢山のことを読み解くことができます。
施術者ご自身の性格鑑定詳細・運勢・吉方位開運など知りたい場合には、九星気学鑑定をお勧めします。
複数の患者さんの本質と社会性の星を大まかに知って、カルテや院内勉強会に活かしたいという場合には、簡易東洋医学サポート付き九星気学ワンデイ講座の準備を進めていますので、お気軽にお声がけください。
私は対面で出張鍼灸・オンラインで九星気学鑑定を仕事にしていますが、経験も実力もまだまだですので、患者さんのための医易同源の道を模索しながら共に歩めるお仲間さんが増えてくださると、この上なく嬉しいです。
ここまでお読みくださって、ありがとうございました。