超音波観察装置を使用する上での覚えておきたい用語や注意点
今回は超音波観察装置を使用する上での覚えておきたい用語や注意点についてご説明したいと思います。
前回までは超音波観察装置(以下、エコー)がどのように見るのか?についてお話させていただきました。
〇前回記事リンク
株式会社エス・エス・ビー本社営業部 田島 友博
WEB版 1号 | からだサイエンスNET
今回は、その画像を読影する際に必要な用語をご説明したいと思います。
エコー画像は基本的に白黒画像で描出されています。
その色の見え方に名称があります。
白 :高エコー
グレー:等エコー
黒 :低エコー
真っ黒:無エコー
と分類されています。
画像で説明させていただくと図1のようになります。
図1
これらは、周辺部に比べて相対的に反射が“強い”か“弱い”のかで色が変わります。
一般的に“固い”か“柔らかい”か、と表現されたりもします。
骨は反射が強い(組織が固い)ので白く表現されます。
水腫や血管などは反射が弱い(組織が柔らかい)ので黒く表現されます。
その他に、“ランドマーク”、“プローブワーク”、“アーチファクト”という用語があります。
〇ランドマークって何?
ランドマークとは“目印”です。エコーを使う際に必ず必要になるのが目印で、対象となる箇所を撮影する際に骨や靭帯、筋肉などを目印にプローブあてます。ランドマークをしっかり把握し、意識することで使用時間の短縮になり、間違いを防ぐことができます。動画は肩関節を撮影しています。あくまでも一例ですが、「上腕二頭筋長頭腱」を描出したいから「結節間溝」を、「肩甲下筋」が描出したいから「小結節」を目印にします。
図2
〇プローブワークって何?
プローブワークとは、プローブを体に当てる方法や角度を調整すること、プローブの使い方をプローブワークと言います。そのために重要なことはプローブの持ち方です。図3のようにプローブを持っていただくと丁寧な描出ができます。たかが「持ち方」、されど「持ち方」です。
図3
〇アーチファクトって何?
アーチファクトは虚像とも言われたりしますが、超音波の特徴で音の性質や反射によって作り出される嘘の画像のことです。
多重反射や音響増強、音響陰影、異方性、ミラー現象などがあげられます。異方性はプローブの角度によって変化しますので、プローブワークが重要になります。
図4
今後、さまざまな媒体や現場でエコーに触れることがあると思います。その際にこのような用語が多用されますので是非、この機会に覚えていただけるといいと思います。
株式会社エス・エス・ビー
執行役員 田島 友博