土用と脾・胃の関係

 はじめに、東洋医学で言う臓腑経の名称は、漢方独自のもので、西洋医学的な先入観をもって理解することはできません。それを前提として、今後も説明して行きますので、よろしくお願いします。

 土用と聞くと多くの方が「土用の丑の日」を思い浮かべるのではないでしょうか。毎年梅雨の時期に「土用の丑の日」がきてウナギを食べるのが定番になっていますが、実は、土用は年4回あるのです。

ですから「土用の丑の日」も年4回あるということになります。また東洋医学でいう本来の土用とは、単なる暦による時期だけ指すのではなく気象環境と関係しており、四季の中で季節と季節の変わり目にある雨季つまり湿気が多く雨の多い時期を言います。

その一番大きな土用が春と夏の間に来る梅雨なのです。そのほかに夏と秋の変わり目に来る秋雨、秋と冬の変わり目のサザンカ梅雨、冬と春の間に来る菜種梅雨、これらの時期が東洋医学で言う土用にあたり、湿邪(湿気の邪気)を受ける時期とされています。湿邪により衰えるのは、脾と胃の流れです。

 脾と胃の衰えは、

消化吸収が衰え、食欲不振・軟便・下痢・筋肉の発育が悪くなる・四肢の力が弱くなる・水太りとなる・むくみやすくなるなどが症状として出てきます。

②筋肉の力がかなり落ちてきますと、胃下垂・脱腸・脱肛・遊走腎・子宮脱・流産などになりやすくなります。したがって、これらを治すには胃と脾を元気にする必要があります。

原因不明の微熱や出血班が出やすくなる。

月経異常・貧血・白血病にも関係すると言われています。

歯肉炎・歯ぐきからの出血を起こしたりすることもあります。

冷たいビールや生ものの摂りすぎ(冷えと水分の取り過ぎ)は、便がゆるく、こびりつく・白い舌苔となりやすくなります。

⑦胃が熱をもった状態の時は、黄色い舌苔・舌の色は赤・口の中がべたつく・苦くなる・むかつく・胃部がつかえる・口が渇く・水を飲むとむかつく・匂いの強い黄色の下痢便・黄疸が出ることもあります。

温かいものを欲しがり、冷たいものを取ると痛み、食欲がなくなるものもあります。

⑨食欲はあるが、いざ食べようとすると受け付けないものがある。

胃のあたりが熱く、食事をすると痛み、口臭がひどく、口の中が苦く、悪心・嘔吐・酸っぱいゲップが出るものがあります。

 脾と胃が弱い人の性格・体質としては、くよくよし易い・取り越し苦労をし易い・顔色は黄色い・胃腸が弱い・月経の出血がだらだらと止まりにくい・知らないうちにアザが出やすい・筋力が弱い・胃下垂・遊走腎・子宮下垂・脱腸・脱肛・流産を起こし易いなどです。

脾と胃に良い食べ物を上げてみますと、大豆・栗・うるち米・ハチミツ・たけのこ・からたちの実・干し柿・焼きもち・大根・里芋・豆腐・三つ葉・なす・梅干し・ふろふき大根・クローバー・よもぎ・はこべ・そば・ニラ・にんにく・海藻・みそ・ねぎ・霊芝・百合根・春菊・きび・生姜湯・玄米・あわ・ふきのとう・胚芽・根菜・豆類・ごま・小魚・ビタミンB類・鉄分の多く含まれているもの・油揚げ・納豆・山芋・しその葉・人参・キャベツなどです。

悪い食べ物としては、甘いものの取り過ぎに注意すること・肉類・魚介類・生卵・酒類・甘味品・刺激物・いも類(カボチャ、長芋はよい)・たばこ・果物・白米・白パン・白うどん・化学調味料・科学酢はやめて米酢にする・和菓子・アイスクリーム・コーラ・ファンタ・コーヒー・紅茶・ケーキ・チョコレート・水菓子・チーズ・バター・牛乳・冷ソーメン・インスタントラーメン・ハム・赤身の魚・白米のお粥などがあげられます。

食事は、早食いを避け、良く噛み唾液と良く混ぜて胃へ送ることが必要です。一口30回以上は噛んで、消化吸収を助けます。やわらかいものばかり食べていると肥満になります。

最近の少年・少女の肥満は、噛まないことが原因であるとの指摘もあります。

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