第4回 脊椎バイオメカニクス

 今日のテーマは頸椎偏移と脳幹優位側について、臨床で確認している内容ではありますが、生理学的にはいまだ解明はされていない(?)部分について語らせて頂きます。

脊柱の彎曲は上図左側のように土台が傾いたり、右図のように上部が重心線から偏移したときに発生します。

これは重力の作用で成り立ちますが、実際の脊柱は上図単純モデルのように大きく傾くことは稀です。上図を頸椎と考えますと、頭の重心が土台となる胸郭上部の中心から離れるほど、重力に起因する倒れる方向へのモーメントは大きくなり、その姿勢を保つための筋力モーメント(重力と反対方向)も当然大きくなります。

これは生体にとっては不都合であり、効率性志向という人間の持って生まれた本能が働き頭部の重心を頸胸移行部あたりに落とそうとする筋作用が働きます。

そこで、頭部若干右寄り姿勢を例として、下図のような簡単なゴム紐原理を参考に

分析してみましょう。

頭部若干右寄り姿勢の思考

左側の僧帽筋・胸鎖乳突筋・斜角筋、肩甲挙筋等が緊張

→右凸頸椎作成の可能性

→頭部は左に傾こうとする

→左傾斜を防ぐ対応として右後頭下筋群が緊張する

この対応によって、それなりの頸椎側屈偏移や第1肋骨偏移、また舌骨の傾斜による舌骨下筋群の引っ張りによる下顎骨の移動力が発生することになるのです。

この思考を元に、こんなことも考えられるのです。

それでは最初の本題に入らせていただきます。

眼精疲労や目の下ピクピク(攣縮?)神経の疲労と言え、神経の疲労は酸欠で生じ、そして興奮(イオンの流入?)が生じることで自発放電が発生目の下ピクピクという仮説があります。

あくまでも神経疲労と捉えている考え方です。

そこで先ほどの頭部若干右寄り姿勢と関連させていきます。

右凸頸椎での舌骨左傾斜で右舌骨下筋群牽引による舌骨右移動と同時に下顎骨右移動が生じることにより右咀嚼が生理となります。

噛むという入力は下顎神経の興奮が生じ、よく噛む側の脳幹優位側となり脳神経系の検査亢進の場合が多くみられます。

私の観察では後頭下筋群緊張側の脳幹優位が多く、舌骨と下顎骨との関係性を現在研究中です。(生理学的根拠は到底難しいかも)

本来脳幹優位が生理とされている側が、ガクンと落ちる場合が先程の神経疲労となりこの現象が、目の下ピクピクや縮瞳傾向を生じさせる可能性があります。

このような神経の疲労の時に頭や頸椎を温める行為は、理にかなわないと考えています。

代謝を落とし神経細胞を鎮静化し、より働かせないようにすれば、わずかな血流でも間に合うことになり、温めて血流を増やすのは無理があります。

だから、アイシングが有効だと考えます。

一つの考え方として参考にして下さい。

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青柴 龍昇

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