痛みのある方への接し方と訓練から自主トレへの促し方

1.痛みの役割について

 今回は痛みをテーマにした話をしていきます。みなさんが痛みを感じる時は、どのような時でしょうか。階段を昇る時、椅子から立ち上がる時、歩き始める一歩目など、膝に力を入れた瞬間や、大きな力を入れる直前に経験していることが多いかも知れません。

また、起き上がろうとした時の痛みや、物を拾う際に体をかがめる姿勢で腰を痛めてしまう。腕を上げようとしたら肩に痛みが走る。痛みは私たちの気持ちを不快にさせて、行動しようとする意欲を低下させます。でも、それだけでしょうか。痛みは私たちに何かを知らせてくれています

ほとんどが左右の使い方が偏った結果、変形していたり、体重が増えることと筋肉で支えることのバランスが崩れてしまっていることで炎症が起きていたりします。大きな違和感に至る前に姿勢を正したり、体重の調整を加えたり、筋力を強化して骨への負担を減らしたりするための気づきになります。

2.痛みと生活の不具合

 生活していくためには、身体を動かさなければなりません。そのような時に痛みがあると、動きが止まりますし、痛みの強さにもよりますが、その動作が出来なくなったり、繰り返したくない気持ちが勝って、慎重に動いたり、動きの幅が狭くなり、行動範囲そのものが狭くなっていきます。鈍い痛みや、身体が重く感じる、しびれるなどの不調は、気分を下げますし、不機嫌な状態を作りやすくなります。

3.痛みを和らげるためにすること

 痛みを和らげるためには、どのようなことをすれば良いでしょうか。いわゆる正しい綺麗な姿勢は、身体に余計な力を使わずに楽に動かすことが出来るので、試してみる価値があります。もう少し積極的な改善方法としては、痛みのある部分を擦ることです。年代にも寄りますが、子どもの頃に転んだりぶつけたりして痛みが生じた時に、擦ったりしませんでしたか。

その擦り方にはコツがあります。おまじないのように心理的な効果を狙うのではなく、筋肉をゆっくりほぐして周辺の血行を改善させましょう。両手で太ももやふくらはぎを挟んで、両方から押し付けながら揺らすことで、力が抜けやすくなります。ポイントは、「押し付けながら揺らす」です。さらにもう一つ試して欲しいことは、朝に布団の中で、身体をくねくね揺らしてから起き上がると、急に起こる激痛がなくなり、膝や腰の痛みが軽減します。

身体を揺らすことは、ウォーミングアップになるからです。同じ姿勢を長く取っていると、姿勢を変える時に違和感があります。高速道路でパーキングエリアに入り、トイレに向かおうと座席から立ち上がった時の感覚です。長く同じ姿勢を取った後の動き初めには注意しましょう。

4.行動を止めてしまう2つの壁について

 何か新しいことを始める時に、自分に出来るのだろうかと疑問に思うことはありませんか。新しいプロジェクトを成功させる。資格試験に挑戦して合格するなどの大きな変化だけではなく、自分の身体の痛みやだるさを軽減させるという未来の状態を作る目標にも活かせる行動についての話です。

何をやるのかがわかっていて、目標を達成するまでには、行動を止めてしまう2つの壁が存在します。1つめの壁は行動を起こせないこと。この壁を超えるには、「自分でも出来そうだ」と思えることが重要です。過去の成功体験や、あの人が出来ているから、きっと自分も出来るという代理体験、納得がいくまで説明を受けるなどが有効です。

2つめの行動を起こしてからの壁は、目標が達成するかどうかの不安に押しつぶされること。

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図1 目標達成までの道のり

ここでは協力者と仲間の存在が欠かせません。サポートや支え合うことで継続出来て、目標に向かって歩めていることの実感が壁を超える原動力になります。

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図2 実施者の心の動きと行動への変化

5.自主トレーニングが定着していくための工夫

 自主トレーニングを定着させるために必要なことは、まず自分の生活リズムを振り替えることです。現在習慣化しているものは何か。新たな習慣づくりよりも、既存の習慣に少し加えるようにして定着化を図ります。

カーテンの開け閉め、洗顔・歯磨き、着替えなどの生活習慣、外出される方であれば経路の選択、散歩が定着していれば丁寧なストレッチを加えるなども有効です。

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