『いろいろな治療法』第2回 

〇第1回に、伊藤修先生の奇経治療の診断点を書き、均整法との組み合わせを書きました。まず、均整法を何処で学んだのか、均整法の診断法と治療法とは、

 均整法を勉強したのは渋谷大橋に東京身体均整学院が出来て4・5年の頃だと思います。私たちの勉強グループのリーダーの岩城先生が「均整法という手技を教える学校が出来た、どんな学校か行ってみて良かったら竹内君も行けばいいよ」と話され、1年後に私も行きました。

均整法の治療法の授業も素晴らしかったのですが、この学校の先生とのご縁が私の人生の中、治療の世界で多大な影響を与えてくれました。話が脱線してしまいますが、治療家は色々な人と巡り会います

私の治療の最初の師匠は、「治療家は、人間形成が大事だ、それには旅をしなさい、治療の術は教えません、術は盗むものです。だから教えません」という、太極治療法の佐藤栄二先生でした。

私は鍼灸学校の学生の時、入学してすぐに何とも言えない虚しさになり、退学をしようと考えていました。そんな私をみかねたクラスメートの中の先輩の中村さんが「竹内君、4月末からの連休に伊豆半島一周のヒッチハイクの旅に行かないか」と声をかけてくれました。

ヒッチハイク、何ですかそれは、僕は家からの仕送りだけでお金が有りません、旅行なんていけません」と断ると、

お金なんかかかりません、泊まる宿はユースホステルで、デパートに行ってユースホステルの会員に簡単になれるし、会員になれば安く泊まれるし、旅行手段は、ヒッチハイク、乗せてくれる車を止めてその車に乗って旅をするの、本当は、ヒッチハイクでの旅の人はユースホステルには泊まれないの、電車かバス旅行の人しか本当は泊まれないのだけれど大丈夫、泊めてくれると思うよ、でもどこに泊まるかわからないので寝袋とリュックに水と少しの食料を入れていこうね

と中村さんは親切に話してくれました。

ヒッチハイクかーその未知の旅にひかれ行くことにしました。中村さんの指導のおかげで私は学生時代の3年間、春休み、夏休み、冬休みとヒッチハイクで旅をしていたので、佐藤先生から旅をしなさいと言われても、「大丈夫です、学生の時旅をしていました」と返事が出来ました。

(3年間でどのくらいの車にお世話になったのでしょうか、一度の旅で約30台~40台、それが1年3回×3年=9回で300台~360台近くの車にお世話になりました)

それから私は仏教学者の紀野一義先生の手伝いもしていました。紀野先生は佐藤先生の患者でもあり、私の事を佐藤先生に推薦してくれていたので、スムーズに決まりました。

 佐藤先生の家の弟子の生活は、朝、先生の家に行き、先生に挨拶をして、お手伝いの人に手伝うことを聞きます。最初は庭掃除、その次は捕まえた文鳥の鳥かごの掃除とエサの交換。

文鳥の話ですが、信じられます?

昼間、野鳥の文鳥がかごからはみ出したエサを食べていて夜になっても飛び立たず、かごに止まっていて逃げません。電気を消して庭にまわり、捕まえてかごの中へ、最初は喧嘩をしますので、かごに布をかけて暗くして3日もすれば仲良くなります

その野生の文鳥を先生の所に4年いて私も2羽捕まえました。その文鳥がかごの中で水遊びをするとガラス戸を汚します。1週間に2回は窓ふきです。その次は、犬の散歩です。本門寺の近くですので時には行きました。待合室と治療室の掃除。銀行やその他のお使い。

何時になったら治療を見せてくれるのだろうか不安の日々でした。

1ヶ月は経っていたでしょう、言葉を交わす人の中で気心を知れる人が現れました。「治療を見学していいでしょうか」と話しますと、許可をしてくれました。先生に話しますと先生はそれを待っていたように見学をゆるしてくれました。

 佐藤先生の太極治療は、患者さんを寝かせ、血圧を計り、脈を診ます

おなかを出して、肝温脾冷を確認して、灸点ペンでお腹のツボに印をつけます。腹部―気海・中脘・天枢 に鍼をして、灸をする。

灸は女性は温灸の機械、デミガーでした。次に腹臥位で足―委中・承山・に鍼をして灸。次に腰背部―膈兪・肝兪・脾兪・腎兪・次髎

次に座位で、天柱・風池・肩井・身柱(灸)肺兪OR厥陰兪

次に手―曲池・合谷・左陽池(灸のみ)次に足―足三里・三陰交・照海と鍼をして灸をします。

太極指圧

・背臥位―①行間・照海・三陰交・足三里を左右同時に指圧

②大腿外側をギュツと、手掌で左右同時に指圧

・腹臥位

③下腿部を持ち、膝を屈曲し、崑崙を母指で始発

④下腿三頭筋を3分割し膝近辺から踵に向かって把握

⑤下腿三頭筋の中央を第2指を踵に向かって引き伸ばすように押し込む

⑥湧泉・承山・委中・を押し、殷門・承扶・と押し、腸骨稜を左右

同時に指圧

⑦天柱・風池・寛骨を左右同時に指圧

⑧肩井を第3指で指圧

⑨肺兪・(又は厥陰兪)・膈兪・肝兪・脾兪・腎兪、(志室)・次髎・左右同時に指圧

・背臥位

⑩曲池・(孔最)・合谷・魚際の指圧

⑪お腹に手掌を当て、お腹を診て治療をおえる

佐藤流太極療法は、鍼と灸をして最後に指圧をして治療を終了します。太極治療法によって、全身のバランスがとれるので、いろいろな検査結果も整い、元気になります。

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